漫画のTORICO、なぜイーサリアム投資へ?|1ヶ月で株価3倍の舞台裏とWeb3戦略
漫画出版社が仮想通貨に巨額投資―従来のビジネスモデルを破壊する決断の裏側
伝統的な出版業界に衝撃が走った。漫画コンテンツ配信で知られるTORICOが、イーサリアムへの大規模投資を実施。この決断が、わずか1ヶ月で株価を3倍に急騰させる原動力となった。
Web3への大胆なシフト
TORICOの戦略は単なる資産運用を超えている。同社は、ブロックチェーン技術を活用した次世代コンテンツ配信プラットフォームの構想を明らかにした。NFTを活用した限定版漫画の販売、スマートコントラクトによる著作権管理の自動化―これらの取り組みが投資家の期待を一気に加速させた。
市場の反応と業界への波及
金融市場はこの動きを「伝統メディアのWeb3覚醒」と評価。アナリストたちは、他のコンテンツ企業も類似の動きを見せる可能性を指摘する。一方で、懐疑的な声も―「かつてのドットコムバブルを彷彿させる、実態のないバズワード投資だ」と冷笑するベテランアナリストも少なくない。金融庁(FSA)も、上場企業の仮想通貨投資に関するガイドライン整備を急ぐ。
TORICOの挑戦は、コンテンツ産業と分散型金融(DeFi)の融合がもたらす新たな価値創造の可能性を示した。成功するかどうかは別として、少なくとも彼らはウォール街の古い金庫番たちが理解できない未来に、真っ先に賭けたことになる。
衝撃の株価推移:わずか1ヶ月で3倍

7138 – TradingvieW
この発表に対する市場の反応は劇的でした。下記は直近の株価データです(2025年12月27日時点)。
- 現在株価:487円(前日比 +19.66%)
- 5日間の上昇率:+102.92%
- 1ヶ月の上昇率:+198.77%
わずか1ヶ月で株価は約3倍へ暴騰。年初来で見ても+226%という驚異的なパフォーマンスを叩き出しており、市場がいかにこの「新生TORICO」に期待を寄せているかが分かります。
なぜビットコインではなくイーサリアムなのか?
多くの企業が「デジタル・ゴールド」としてビットコインを選ぶ中、TORICOはなぜイーサリアムを選んだのでしょうか。その鍵は「運用収益(インカムゲイン)」にあります。

TORICOが掲げる「トレジャリー2.0」構想は、単にイーサリアムを買って寝かせておくだけではありません。銀行にお金を預けると利息がつくのと同じように、保有するイーサリアムをネットワークに預け入れる「ステーキング」を行うことでを受け取る計画です。
さらにオプション取引(カバード・コールやプット売り)やレンディング(貸し出し)といった金融手法を組み合わせることで、相場が動かない時期でも収益を生み出す仕組みを構築することも可能です。
つまり、TORICOは自社の財務基盤を「高配当株」や「債券」のようなへと作り変えようとしているのです。
「Web3オールスター」が支える本気度
「漫画を売っていた会社に、そんな高度な運用ができるのか?」
投資家が抱くそんな懸念を払拭したのが今回結成された強力なチームの存在です。今回の増資を引き受けTORICOの実質的な筆頭株主となるのは、Web3企業「Mint Town」です。
また、かつてモバイルゲーム大手gumiを創業したが23.35%の株式を取得する形で筆頭株主となりました。日本のWeb3業界における象徴的な存在である彼が、戦略アドバイザーとしてTORICOの舵取りに参加します。
ずっと準備をしてた大きな発表がようやくできます! 東証グロースに上場している、株式会社TORICO(7138)へ第三者割当増資および既存株主からの株式譲渡を通じ、23.35%の株式を取得して筆頭株主になりました!… pic.twitter.com/WABGBOyw9l
— 國光宏尚 クリプトおじさん (Hiro KUNImitsu) (@hkunimitsu) December 17, 2025
さらに、新設される運用子会社の社長には、上場企業の社長経験とWeb3の実務経験を併せ持つが就任します。
「誰がやるか」という点においてこれ以上ない布陣を敷いたことが、市場がこの戦略を「絵空事」ではなく「実現可能なビジネス」として評価した大きな要因と言えるでしょう。
個人投資家がTORICO株を買う「決定的な理由」

では、私たち個人投資家にとって仮想通貨取引所でイーサリアムを直接買うのとTORICOの株を買うのとでは何が違うのでしょうか。そこには制度上の大きな「歪み」を利用したメリットが存在します。
税制という名の「錬金術」
最大の魅力は税金です。日本において仮想通貨で大きな利益(雑所得)が出た場合、税率は最大で約55%にも達します。
しかし、TORICO株への投資であれば、どれだけ利益が出ても税率はで固定されます。
「イーサリアムが値上がりする」という未来を信じるならばTORICO株を経由したほうが、手元に残る利益は圧倒的に多くなる可能性があります。
※株価が保有するイーサリアムの実質価値を下回る「mNAV 1倍割れ」が起きる可能性がある点には注意が必要です。
多くの投資家から注目集まるTORICO
TORICOのこの挑戦は日本の株式市場における壮大な実験です。これから最大約8.2億円の資金がイーサリアム購入に充てられる予定であり、まだ本格的な購入は始まっていません。
かつて「本だけのオンライン書店」だったAmazonがテックの巨人に化けたように、「漫画のTORICO」が「Web3のTORICO」へと脱皮できるのか。その成否に多くの関心が集まっています。
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