2024年注目の「ニュースケール・パワー」:AIデータセンター需要で株価急騰後の調整局面
小型モジュール原子炉(SMR)技術をリードするニュースケール・パワー(NYSE: SMR)が、AIデータセンターの電力需要拡大を背景に注目を集めています。同社株価は過去1年で114%上昇した後、現在調整局面に入っていますが、NRC(米国原子力規制委員会)の認可取得や電力購入契約(PPA)進展を材料に、今後の成長が期待されています。専門家の間では、SMR技術がAI時代の持続可能なエネルギーソリューションとして重要な役割を果たす可能性について活発な議論が交わされています。
ニュースケール・パワーの株価動向と市場評価
ニュースケール・パワーの株価は、5月21日時点で38.64ドル(前日比13.4%下落)となっています。BNPパリバ系の調査会社Exaneは「Underperform(市場平均以下)」評価を維持し、目標価格を25ドルに設定しています。一方、カントール・フィッツジェラルドは「Buy(買い)」を推奨し、55ドルの目標価格を提示。アナリスト間で評価が分かれる状況です。
2040年までに、SMRの世界市場規模は20GWに達するとの予測もあります。Fluor社との協力関係も強みで、250億ドル規模のプロジェクトパイプラインを有しています。市場関係者は「SMR技術は従来の原子力に比べ建設コストが低く、AIデータセンターのような大規模で安定した電力需要に最適」と指摘します。
NRC認可プロセスの現状と今後の見通し
ニュースケール・パワーは2023年に50MWeの設計を提出し、現在NRCの認可審査を受けています。5月28日までに認可が下りる可能性があるとみられています。NRCの承認が得られれば、同社の77MWe設計が商業化への道を開くことになります。
カントール・フィッツジェラルドのアナリストは「NRCの認可プロセスが順調に進めば、ニュースケールの技術的優位性がさらに明確になる」とコメント。SMR技術が従来の原子力発電に比べ安全性と経済性の両面で優れている点を評価しています。
AIデータセンター需要がSMRに与える影響
AI技術の急成長に伴い、データセンターの電力需要は年間4%のペースで増加しています。テネシー川流域開発公社(TVA)とのPPA締結は、SMR技術がこうした需要に対応できることを示す好例です。
専門家によると、SMRは「電力供給の安定性」と「二酸化炭素排出量の少なさ」というデータセンター運営者が求める2つの要件を満たしています。TVAとの契約では、SMRが供給する電力の価格競争力も実証される見込みです。
ある業界関係者は「AIデータセンターの電力需要は地理的に集中する傾向があり、SMRのモジュール式設計が理想的」と指摘。今後さらに多くの電力会社がSMR技術を採用する可能性があると予想しています。
投資家が知っておくべきリスク要因
・規制承認プロセスの遅れ
・建設コストの上昇リスク
・競合技術の台頭
・一般市民の原子力受容度
BTCCアナリストチームは「SMR技術には長期的な成長可能性があるが、短期のボラティリティに注意が必要」とアドバイスしています。投資判断の際には、NRCの認可状況やPPAの進展状況を注視することが重要です。