イーサリアムが13カ月ぶり安値、6%急落で1年の上昇分消失|ETF流出17日連続の警告
イーサリアム(ETH)が6月5日、26万円台(約1,700ドル)まで急落し、6.49%の暴落で約1年間の上昇分が振り出しに戻った。これは2025年5月以来の低水準であり、市場では複合的な悪材料が同時進行している。特に、米イーサリアム現物ETFが史上初の17日連続純流出を記録した点が警戒され、AI株への資金シフトや開発者流出、競合チェーンの台頭が重なることで、下落圧力は長期化の様相を呈している。仮想通貨のプロフェッショナルとして、この10%調整は構造的な弱気転換の予兆と捉え、短期的なリスク管理が急務だ。
「1年で振り出し」の重みと構造的弱気の同時進行
下落の構造的背景は価格そのものより深刻です。イーサリアム開発者の人材流出が強まり、価値の信認そのものが試される局面に入りました。
5月下旬には著名仮想通貨系メディアBankless共同創業者デイビッド・ホフマン氏が保有ETHの売却を公表し(「弱気ではない」と注釈付きながら)、長年の中心人物による象徴的な転換も起きています。ビットコイン陣営からはアダム・バック氏が「BTCはイーサリアムの『見えないリスク』を避けられる」とDeFiの構造的脆弱性を指摘するなど技術設計レベルでの批判も増えています。
ヴィタリック氏が立て続けに打ち出す改善提案
弱気の流れに対し、創業者ヴィタリック・ブテリン氏は具体的な改善提案を矢継ぎ早に打ち出しています。
6月初頭にはDeFiの根幹である「自動清算」の廃止を構想する論考を投稿。1ETHを「P」と「N」というオプション類似の2つの資産に分割し、担保債務を設計の根幹から取り除く案を示しました。これが実装されれば、DeFi清算リスクという長年の構造課題を解消できる可能性があります。
加えて、開発陣全体としても「プライバシー機能の組み込み」を急いでいます。ZcashなどプライバシーコインのアウトパフォーマンスをETHが取り戻すには「12カ月で30%安の挽回が必要」とされ(*Zcashは直近は大きく下落)、プライバシー機能実装の納期が事実上の評価基準として浮上した格好です。一方、創業者自身は「自分の影響力は減っていく方が望ましい」とイーサリアム財団の構造変更にも言及するなど、ガバナンス面でも分散化を進めようとしています。
「強い面」と「弱い面」の併存が示す市場の判断軸
注目すべきはETHの全てが弱気ではない事実です。5月下旬時点でイーサリアムはトークン化資産価値全体の過半(約157億ドル)を依然として独占しており、機関グレードのRWAインフラとしての地位は揺らいでいません。米イーサリアム現物ETFの17日連続流出が続いても「機関がETHエクスポージャーをゼロにする」展開には至っていない構造です。
一方で実用ユースケースの一部では競合チェーンへのシェア移動が鮮明になっています。仮想通貨カード決済のシェアではソラナが台頭し、イーサリアム本体は縮小しており、3年前の55%シェアから11%まで急減。市場が見ているのは「ETHはトークン化基盤として優れている」一方で「決済やperpsなど成長領域では負けている」というコントラストなのかもしれません。
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