Coinbaseが仮想通貨デリバティブ大手Deribitを4200億円で買収──オプション市場支配へ野心的な一手
米国最大の仮想通貨取引所Coinbaseが、仮想通貨オプション取引の7割を支配するDeribitの買収でついに本格的なデリバティブ戦争に参戦した。
伝統的な金融機関が「ボラティリティが高すぎる」と尻込みする中、Coinbaseは機関投資家向けサービス拡充のため、仮想通貨界の『カジノ資本主義』の中核事業に4.2億ドルを投じる決断を下した。
買収完了後、Deribitは本社をパナマからアイルランドに移転し、EUの規制枠組みに組み込まれる予定──Coinbaseの『規制準拠』戦略と、Deribitの『ハイリスク・ハイリターン』ビジネスモデルがどう融合するかが市場の注目点だ。
仮想通貨業界の収益構造が『取引手数料』から『レバレッジ取引』へ急速にシフトする中、この買収はCoinbaseの『収益源多様化』というより『生き残りをかけた必然の一手』と分析する専門家も──金融規制という名の『猫とネズミ』ゲームは新たな局面を迎えた。
- CoinbaseがDeribitを現金と株式をあわせて29億ドルで買収、仮想通貨デリバティブ市場に本格的に参入する。
- 競合のKrakenとの数カ月にわたる買収合戦を繰り広げた。KrakenはNinjaTraderを15億ドルで買収する。
- Deribitの2024年の取引高は1.2兆ドル、仮想通貨オプション市場で圧倒的な存在感を持つ。
米仮想通貨(仮想通貨)取引大手Coinbase(コインベース)は5月8日、ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)のオプション取引に特化したDeribit(デリビット)を29億ドル(約4200億円、1ドル144円換算)で買収することに合意したと発表した。高収益が見込まれる仮想通貨デリバティブ市場に本格的に参入する。
Deribitをめぐって、競合のKraken(クラーケン)と数カ月にわたって買収合戦を繰り広げ、ブルームバーグはDeribitの買収価格が40〜50億ドルに達する可能性があると報じていた。
一方、Krakenは米先物取引プラットフォームNinja Trader(ニンジャ・トレーダー)を15億ドル(約2200億円)で買収し、米国での先物取引とデリバティブの提供でCoinbaseと戦う体制を整えた。
米国の仮想通貨業界ではM&Aが活発化している。各社はトランプ米大統領が「仮想通貨の首都」と位置づける米国でのポジション確立を目指している。
今回の買収は、業界最大級の買収となった。BenchmARkのアナリスト、マーク・パルマー(Mark Palmer)氏は、この買収は「デジタル資産の機関投資家への普及拡大が期待されるなか、同社に高成長のデリバティブ市場において、即座に支配的な地位を確立させるもの」と指摘した。
Deribitは2016年設立、デジタル資産オプション取引の市場シェアを短期間で拡大してきた。同社は1月、2024年の取引高は1.2兆ドル(約170兆円)、前年比95%増を記録したと発表していた。
|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:Coinbaseのブライアン・アームストロングCEO(CoinDesk)
|原文:In $2.9B Deal, Coinbase Buys Deribit to Expand in U.S. Crypto Options Market