エルサルバドル、ビットコイン国家プロジェクトを継続──IMFとのウォレット売却交渉も進展
エルサルバドルがビットコインを法定通貨とする国家プロジェクトを続行する。国際通貨基金(IMF)との間では、政府が運用するビットコインウォレットの売却交渉が進んでいる。
IMFは従来から、エルサルバドルのビットコイン政策に対して懸念を表明してきた。特に、国家財政へのリスクと市場のボラティリティを問題視していた。今回のウォレット売却交渉は、そうした懸念を一部解消するための動きと見られる。
エルサルバドル政府は、ビットコインを法定通貨に採用した世界初の国家として、デジタル資産による経済活性化を目指す。一方で、伝統的な金融機関はこの動きを「財政リスクを軽視した賭け」と批判する声も根強い。
ウォレット売却の詳細な条件や規模は明らかになっていないが、この動きは国家レベルでの仮想通貨保有戦略の転換点となる可能性がある。IMFとの交渉がまとまれば、他の新興国が追随するケースも出てくるだろう。
エルサルバドルの挑戦は続く──伝統的な金融の枠組みに風穴を開ける試みは、成功するか、それともIMFの懸念が現実となるか。いずれにせよ、国家と仮想通貨の関係を再定義する実験は止まらない。
IMF(国際通貨基金)は12月23日、エルサルバドルに対する40カ月間の拡大信用供与措置(EFF:Extended Fund Facility)の第2回レビューに関する声明を発表した。
EFFとは、構造的問題から生じる深刻な国際収支問題に直面している国を対象に、IMFが資金支援を行う制度。融資の実行に際し、IMFは融資先に対して定期的にレビューを行う。
エルサルバドルは3月、IMFと35億ドル(約5460億円、1ドル156円換算)の融資で合意。その条件の一部には、エルサルバドル政府が運営する電子ウォレット「Chivo」の売却や、ビットコイン購入の制限が含まれていた。
同声明では、Chivoの売却交渉が大きく進展していることや、エルサルバドル政府によるビットコイン(BTC)プロジェクトに関する議論が、透明性の向上、公的資源の保護、リスクの軽減を中心に継続していることが示された。
予想を上回る経済成長を評価
同声明では、エルサルバドル経済の成長を評価する内容も示された。
信頼感の回復、記録的な送金、活発な投資を背景に、経済が予想を上回るペースで成長していると指摘。実質GDP成長率は、2025年に約4%に達すると予想され、2026年の見通しも非常に良好だとしている。
IMFは、EFFの第2回レビューの完了に必要な全ての政策と改革について、スタッフレベルで合意に達することを目指し、エルサルバドル当局との緊密な連携を継続していくと述べた。
エルサルバドルのBitcoin Office(ビットコイン・オフィス)のWebサイトによると、同国のビットコイン保有量は本記事執筆時点で約7510BTC、米ドル建ての評価額は約6億5340万ドル(約1019億円)だ。
|文・編集:廣瀬優香
|画像:Shutterstock
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