インド当局が仮想通貨詐欺組織を摘発—規制強化の新たな一手

インドの法執行機関が、大規模な仮想通貨詐欺ネットワークを解体した。当局は複数の拠点を同時に急襲し、組織的な資金洗浄の疑いで関係者を拘束。デジタル資産を悪用した新たな手口が、国際的な捜査網にかかった格好だ。
詐欺の手口と規模
偽の高利回り投資プログラムや「ポンジ・スキーム」的な勧誘が中心だった。被害者は初期の「配当」で釣られ、その後、大金を預けさせられたまま組織が姿を消す—という古典的だが、仮想通貨の匿名性を盾にした巧妙な仕組み。インド国内だけでなく、海外からの資金流入も確認されている。
規制当局の動き
今回の摘発は、インドが仮想通貨市場への監視を強めている明確な信号だ。金融当局(FSAに相当する機関)は、投資家保護と市場の健全性を両立させる新たな枠組みを模索中。野放しだった暗号空間に、ようやく法の目が光り始めた。
業界への波及効果
短期的には、不正資金の締め出しが市場の流動性に影響を与える可能性もある。しかし長期的に見れば、こうした浄化作用は健全な市場形成に不可欠—結局のところ、ウォール街の古い手口がブロックチェーンという新しい衣を着ただけの話かもしれないが。
仮想通貨の未来像
摘発は痛みを伴うが、成長過程で避けられない通過点だ。規制の明確化は、逆に制度的な信頼を築き、伝統的金融機関の参入を促す。インドの動きは、新興国市場における仮想通貨の「成人式」の一幕と言えるだろう。
インド執行局、「Ether Trade Asia」を詐欺調査
発表によれば、捜索先はニシェッド・マハデオ・ラオ・ワスニックおよびその関係者と関連があった。EDは、同氏が「Ether Trade Asia」という非公認オンラインプラットフォームを運営していたグループのリーダーだったと説明した。
捜査当局によると、同グループはナグプール市およびマハラシュトラ州の他地域の高級ホテルで投資を呼びかけるセミナーを開催していた。こうしたイベントでは、主催者が投資機会について誤解を招く説明を行った可能性がある。EDによれば、狙いは「善意の投資家を欺く」ことだった。
「彼らは『Ether Trade Asia』プラットフォームを設計・宣伝し、自身の会社『M/s Ether Trade Asia』の名義でさまざまなスキームを展開、『イーサリアム』を使った高額の利益を約束する虚偽のバイナリーコミッション方式を作り上げて宣伝した。これにより、非常に高いリターンを投資家に約束し騙して多額の資金を集めた」と発表資料に記されている。
同局によると、グループは集めた資金を私的に流用した。EDは、投資家の損失が4,250万ルピーを超えると見積もる。調査では、被告らがこの収益で動産・不動産を取得し、これらを直接または家族名義、もしくは自身らが支配する法人名義で保有していたことも判明した。
また当局は、ワスニック氏および関係者が集めた資金の一部で仮想通貨を購入し、個人ウォレットに隠していたと述べた。EDは、最新の捜索で証拠となる書類やデジタル機器を押収したと発表した。
EDはさらに、200万ルピー(約2万2,000ドル)超の銀行残高および約430万ルピー(約5万1,000ドル)相当のデジタル資産が格納された個人用ウォレットを凍結した。当局は、被告による複数の資産、なかでも複数のベナミー不動産(名義貸しの不動産。数千万ルピー相当)の取得も突き止めた。
「ベナミー不動産」とは、表向きはある人物名義で所有されているが、実際には別の人物が資金を出し、実質的な所有・支配権を持つ不動産。実際の所有者の身元を隠すことが目的。語源はヒンディー語の「bENAmi(名なし)」に由来する。
このほか、EDはチャンディーガルで起こった別の土地詐欺事件に関連し、約4,790万ルピー(約53万ドル)相当の仮想通貨を凍結 した。両案件とも捜査が続いている。
BREAKING: 🇮🇳 ED freezes ₹10.86 Cr in assets, including ₹4.79 Cr in Ramifi crypto tokENS, in a fraud case involving ₹26.54 Cr.
The accused allegedly cheated people by fraudulently selling plots and luring investors with false promises of high crypto returns. pic.twitter.com/4nWV3dKloB
捜査は、インドで進行中の仮想通貨関連詐欺やスキャムへの取り締まりとも足並みを揃える。2024年12月には、当局が大規模な偽仮想通貨を用いたポンジスキームとマルチ商法を摘発した。この手口で数十万人の投資家が騙され、被害額は2億5400万ドルに上った。
執行局(ED)はさらに、マハラシュトラ州、カルナータカ州、デリーで合計21カ所の捜索も実施した。これらは、約10年にわたり活動していた別の仮想通貨関連マルチ商法詐欺事件を狙ったものだった。