ダイ(DAI)の仕組みは?発行から価格維持までの仕組みを解説

2022/04/11著者:

この度、ダイ(DAI)の概要や、特徴、ユーザーケース等について解説しました。今回は、ダイ(DAI)は実際にどのように機能しているのかを詳しく説明いたします。

【関連】ダイ(DAI)とは?概要からユースケースまで徹底解説

ダイ(DAI)

 

発行の仕組み


ダイ(DAI)は、暗号資産(仮想通貨)交換業者取引所で購入することも可能ですが、発行主体が存在せず、そのプロセスが自動化されているため、プロトコルのルールに則れば誰でも発行が可能です。ダイ(DAI)は、Maker プロトコルの一部を成す「Vault(=金庫)」という、一連のスマートコントラクトを通して発行されます。

 

ダイ(DAI)発行を希望するユーザーは、Vault に仮想通貨等を預け入れると、それを担保に自動的にダイが発行されます。実際には、ユーザーは仮想通貨等を担保にダイを借り入れていることになります。そのため、借り入れた(発行した)ダイをプロトコルへ返却すると、預け入れた担保資産が手元へ戻ってきます。

 

以前はイーサリアム(ETH)しか担保に利用できなかったものの、リスクの分散を理由に2019年11月にプロトコルがアップデートされて以降は、イーサリアム上でトークンとして表すことができる資産であれば、理論上はどのような資産でも担保として利用できる「複数担保型(MCD)」のトークンになりました。現在では、イーサリアムを初め、20以上の仮想通貨等を担保としてダイを発行できます。なお、イーサリアム・ブロックチェーン上に無数に存在しているトークン全てを無条件に担保にできるわけではなく、実際に担保としてプロトコルで利用可能かどうかは、MakerDAO の分散型ガバナンスの議決権を通じて決定されています。

 

このガバナンスでは、MakerDAO のコミュニティが担保として承認したいトークンが安全かどうか、どの程度のリスクがあるのか、担保として承認するにはどのようなパラメータを採用する必要があるかなど、様々な要素を科学的に検証しています。このようなガバナンスを経て、分散型取引所(DEX)における流動性提供を表すトークン(LPトークン)や、NFT(非代替性トークン)化された現実世界の不動産、他のステーブルコインなども担保として承認されています。

 

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価格維持の仕組み


ダイは、USDCUSDTなどのような米ドルに直接価値を裏付ける法定通貨担保型のステーブルコインと異なり、その価値を1ドル付近に安定(ソフトペッグ)させています。

 

これは、スマートコントラクトを活用した価格安定メカニズムにより可能になっています。具体的には「過剰担保とロスカット」及び「インセンティブ調整」という二つのメカニズムを中心に機能しています。

 

過剰担保とロスカット


ダイを初めとした多くの仮想通貨担保型ステーブルコインは、「過剰担保」によりその価値が裏付けられています。過剰担保とは、借入の際に借入額以上の担保資産を預け入れる行為を指します。つまり、1DAIを発行する際は、1DAI以上の価値の資産を担保としてVaultに預ける必要があるということです。

 

例えば、イーサリアムを担保としてダイを発行する場合、「145%」の最低担保率が設定されています。担保率とは、借入額に対して必要な担保額を割合(担保額÷借入額)で表したものです。最低担保率が145%ということは、100DAI(100ドル相当)のDAIを発行するためには、最低でも145ドル以上の価値の担保を預ける必要があるということを意味しています。この最低担保率は資産(トークン)によって異なっているとともに、一定ではなく市況に応じて変更されます。なお、最低担保率は、ガバナンスで科学的かつ分散的に検証され決定されています。

 

ボラティリティが大きい仮想通貨市場で、仮にダイの価値を裏付けている担保の市場価格が最低担保率を下回ってしまった場合、ダイ発行者は追加の資産を預け入れることができます。しかしそれを行わずに、担保率が最低ラインを下回ったままだと、Vaultが自動的に「強制清算(ロスカット)」というアクションを引き起こします。ロスカットとは、一言で言えば担保没収です。ロスカットが実行されると、ダイの発行者は担保として預けていた資産を取り戻すことはできず、その担保は「担保オークション」と呼ばれるオークションで売り出されます。このオークションでは、ダイで入札が行われ、それによりVaultへ返却されることができなかった不足分のダイを補います。ロスカットが実行された場合、発行者は担保を回収できないだけでなく、「清算手数料」というペナルティが課せられます。このようにロスカットが実行されるとダイ発行者は大きな損失が生じるため、ダイ発行の際には、最低担保率を大きく上回った額の担保を預け入れることが推奨されています。

 

なお、「担保オークション」でも負債分を補えない場合、「債務オークション」と呼ばれるオークションが実行されます。このオークションでは、MakerDAO のガバナンストークン(下記参照)であるMKRトークンが追加発行され、オークションにかけられます。この オークションも、ダイで入札を行うことにより負債を賄います。このように過剰担保及びロスカットの仕組みによって、常に1DAIが1ドル以上の価値を裏付けるように保証することで、ダイはステーブルコインとして機能することができます。

 

インセンティブ調整


ダイの価格維持において、過剰担保及び清算と同等に重要なメカニズムが、市場のインセンティブの調整です。「ステーブル」な仮想通貨とはいえ、ダイの価格も、市場の需給バランスの影響を受けています。

 

つまり、需要が増えれば価格・価値が上昇し、反対に供給が増えれば価格・価値が下落します。しかし、それではステーブルコインとしての機能が果たせないため、Maker プロトコルでは、ユーザーのダイ発行または利用のインセンティブを調整することにより、市場のダイ流通量及び需給バランスを変動させ、ダイ価格を1ドル付近で維持するようにしています。

 

このインセンティブ調整は、「安定化手数料」及び「DSR(DAI Savings Rate:貯蓄率)」という二つのパラメータを軸に調整しています。安定化手数料とは、ダイ発行者が、ダイを返却し担保資産を取り戻す際に支払わなければならない手数料です。ダイ発行時は、必ずこの手数料を伴います。安定化手数料は、最新の料率に基づいて発行中は断続的に複利計算されます。DSR(DAI Savings Rate)とは、端的に言えば、Maker プロトコルが提供している金利のようなものです。ユーザーは、Maker プロトコルにダイを預け入れると、ダイで金利を得ることができます。

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