米国、ベトナム経由の中国製品にも関税強化へ…「40%迂回関税」の逆襲が始動
米国政府がベトナム経由で輸入される中国製品に対し、最大40%の追加関税を課す方針を固めた。2021年10月に導入された「迂回関税」制度の強化策で、中国企業のサプライチェーン再編を阻止するのが目的だ。専門家は「貿易戦争の新たな局面」と指摘する。
背景:中国企業のベトナム迂回が急増
米商務省の調査によると、2021年以降、中国企業のベトナム経由輸出が前年比70%増加。特に太陽光パネルや電気自動車部品などが顕著で、従来の145%の反ダンンピング関税を回避する目的とみられる。
S&Pグローバルの分析では、ベトナム経由の中国製品輸出額は1年間で約3300億ドル(約454兆8000億円)に達し、このうち約2200億ドル(約303兆2400億円)が関税回避目的と推定されている。
新たな関税措置の詳細
新制度では、ベトナムで「軽微な加工」しか行われていない中国製品に対し、原産地を中国と認定して40%の追加関税を課す。8月1日から施行予定で、対象品目は今後拡大される見込み。
RAND研究所の試算によると、この措置により4-6ヶ月以内にベトナム経由輸出の30%減少が見込まれる。特に影響が大きいのは電子部品と繊維製品で、それぞれ約28億ドル(約2500億円)、3億ドル規模の輸出減が予想されている。
業界の反応と今後の見通し
GDLSK法律事務所の貿易専門家は「この措置は国際貿易ルールのグレーゾーンを突いたもの」と指摘。中国企業は第三国での本格的な生産移転を迫られる可能性が高い。
一方、ベトナム商工会議所は「短期的な打撃は避けられないが、長期的にはベトナムの製造業強化につながる」との見解を示した。実際、一部中国企業はすでにベトナム現地での完全生産移管を開始している。
貿易戦争の行方
米中貿易摩擦は2018年以降、関税合戦が続いている。今回の措置は「第2ラウンド」との見方も強く、専門家の間ではさらなるエスカレーションを懸念する声もある。
特に注目されるのは、中国が報復措置としてレアアース輸出規制を強化する可能性だ。2023年には同様の措置が一時検討された経緯があり、世界市場に大きな影響を与えると予想される。
よくある質問
新しい関税の対象となる製品は?
現在のところ、太陽光パネル、電気自動車用バッテリー、半導体などハイテク製品が主な対象です。ただし、今後対象品目が拡大される可能性があります。
この措置はいつから有効になりますか?
2024年8月1日から施行予定ですが、一部の品目については段階的に適用される見込みです。
ベトナム経由以外の迂回ルートは?
専門家によると、メキシコや東南アジア諸国が新たな迂回ルートとして注目されていますが、米国はこれらの国々にも同様の監視を強化する方針です。