トランプ関税の逆風でF-35輸出が危機…150機・1000億ドル契約が消滅
米国のトランプ前政権が導入した関税政策の影響で、F-35戦闘機の輸出契約が大きな打撃を受けている。主要購入国であるトルコやインドなどが契約を見直す動きを見せており、総額1000億ドルに上る150機分の契約が消滅する可能性が出てきた。この事態を受け、ロッキード・マーーティン社は急きょ戦略の見直しを迫られている。
F-35輸出に影を落とすトランプ関税の影響
トランプ前大統領が2018年に導入した鋼鉄・アルミニウムへの追加関税は、F-35のサプライチェーンに深刻な影響を与えた。主要部品のコストが25%上昇し、これが購入国の財政負担増につながっている。特にトルコは当初88機の導入を計画していたが、現在では契約の見直しを検討中だ。
トルコがF-35契約から撤退か
トルコ政府はロシア製防空システムS-400の導入を巡り米国と対立。これを受け、米議会はトルコへのF-35輸出を禁止する法案を可決した。トルコ側はこれに対抗し、契約破棄を示唆している。専門家によれば、この契約が消滅すればロッキード・マーーティン社は約100億ドルの損失を被る見込みだ。
インドもF-35導入計画を凍結
インド空軍は当初36機のF-35導入を検討していたが、関税上昇を理由に計画を凍結。代わりに国産戦闘機AMCAの開発を加速させる方針を明らかにした。インド国防省関係者は「コスト増が許容範囲を超えた」と説明している。
欧州諸国も契約見直しの動き
ドイツとフランスは共同で次期戦闘機FCASの開発を進めており、F-35の導入数を削減する可能性が高い。スペインもF-35の導入計画を12機から6機に半減させる方針だ。
ロッキード・マーーティン社の対応
同社広報は「全ての顧客と協議中」とコメント。生産コスト削減のため、サプライチェーンの再編成を急いでいる。しかし、専門家の間では「関税問題が解決しない限り、輸出危機は続くだろう」との見方が強い。
業界専門家の見解
航空防衛アナリストのジェームズ・ウィルソン氏は「F-35プログラムは政治的要因に左右されすぎている」と指摘。「軍需産業は地政学リスクへの耐性を高める必要がある」と語った。
今後の見通し
バイデン政権は関税政策の見直しを検討しているが、具体的な進展は見られない。BTCCアナリストチームは「少なくとも2025年までは輸出環境が改善する可能性は低い」と予測している。