半導体補助金152兆円投入も…サプライチェーンは3つに分断、中国だけが漁夫の利を得る(2026年)
2026年現在、米国とEUは半導体産業の強化に向けて巨額の補助金を投入しているが、その効果は思わしくない。152兆円もの資金が投入されたにもかかわらず、サプライチェーンは3つに分断され、中国だけが利益を得ている状況だ。ASMLやTSMCといった主要企業の動向や、各国の戦略の行方について詳しく解説する。
152兆円の補助金がもたらしたもの
米国の「CHIPS法」とEUの半導体支援策を合わせると、総額152兆円にのぼる巨額の補助金が投入された。しかし、この投資が期待通りの成果を上げていないのが現状だ。特に問題となっているのが、サプライチェーンの分断と中国の台頭である。
専門家によると、補助金の効果が表れるまでにはまだ時間がかかるとみられている。一方で、中国は独自の半導体産業育成に力を入れており、この状況をうまく利用している。
TSMCとASMLの苦悩
世界最大の半導体ファウンドリであるTSMCは、米国とEUの間で板挟み状態にある。また、半導体製造装置の独占企業ASMLも、輸出規制の影響で苦境に立たされている。
業界関係者は「各国の保護主義的な政策が、かえって半導体産業全体の効率を低下させている」と指摘する。特に、中国向けの輸出規制がASMLの業績に大きな打撃を与えているという。
中国の戦略的対応
中国は2030年までに半導体の自給率を70%まで高める計画を掲げている。米欧の補助金合戦の隙をついて、自国産業の育成に注力しているのが現状だ。
あるアナリストは「中国は長期的な視点で戦略を立てている。短期的な補助金合戦に参加するよりも、自前のサプライチェーン構築を優先している」とコメントしている。
今後の見通し
半導体産業のグローバルな分断は、今後2-3年続くと予想されている。各国が自国優先の政策を続ける限り、この状況は改善しないだろう。
BTCCのアナリストチームは「短期的な補助金競争よりも、サプライチェーンの強靭化に投資すべき時期に来ている」と指摘する。産業全体としての協調が求められる局面だ。