トランプ氏、AI電力需要増に対応するため117兆ウォンの「原発ベット」…「大型原子炉8基を建設」
米国のドナルド・トランプ元大統領が、人工知能(AI)技術の急成長に伴う電力需要の急増に対応するため、約117兆ウォン(800億ドル)規模の大型原子力発電所建設計画を発表した。AP1000と呼ばれる最新型原子炉8基の建設を計画しており、これによりAI産業の電力需要を賄うとともに、エネルギー安全保障の強化を図る方針だ。
AI電力需要の急増と原発建設の必要性
AI技術の急速な発展に伴い、データセンターの電力消費量が急増している。特にGPT-4oのような大規模言語モデルの運用には莫大な電力が必要で、従来のエネルギー供給体制では対応が困難な状況だ。トランプ氏はこの問題に対処するため、原子力エネルギーに注目。安定した大規模電力供給が可能な原発建設を推進する方針を明らかにした。
計画では、ウェスティングハウス・エレクトリック社が開発したAP1000原子炉を8基建設。1基あたり1100MW(メガワット)の発電能力を持ち、総発電量は8800MWに達する見込み。これは約800万世帯分の電力需要を賄える規模で、AI産業の電力不足解消に大きく寄与すると期待されている。
117兆ウォンの大型投資計画
総事業費は約117兆ウォン(800億ドル)に上る見込み。このうちトランプ氏関連企業が175億ドル(約25兆ウォン)を出資し、残りは政府支援と民間投資で賄う構想だ。AP1000原子炉は安全性と効率性が高く、建設コストは1基あたり約1400億円(20億ドル)。従来型に比べ建設期間が短く、運転開始までのリードタイム短縮が可能とされる。
専門家によると、この規模の原発建設プロジェクトは過去10年で最大級。AI産業の電力需要を考えると、時期を得た投資と評価する声が多い。MITエネルギーイニシアチブの調査では、AIデータセンターの電力需要は2030年までに現在の3倍に達すると予測されており、持続可能なエネルギー供給が急務となっている。
小型モジュール炉(SMR)との比較
近年注目を集める小型モジュール炉(SMR)と比較すると、AP1000のような大型原子炉は規模の経済が働き、発電単価を抑えられるメリットがある。一方、SMRは設置場所の柔軟性が高く、短期間での建設が可能という特徴を持つ。トランプ氏の計画では、大規模な電力需要に応えるため、大型原子炉を選択したとみられる。
エネルギーアナリストのジェームズ・カートライト氏は「AI産業の急成長を支えるには、大型原発の安定供給が不可欠。SMRは補完的な役割に留まるだろう」と指摘する。実際、米国エネルギー省の試算では、2030年までのAI関連電力需要を満たすには、少なくとも50GWの新規ベースロード電源が必要とされている。
市場への影響と今後の展開
この発表を受け、ウラン関連株や原子力建設株が買い気配。特にウェスティングハウス社の親会社であるブルックフィールド・リニューアブル・パートナーズ(BN/BEP)の株価は5%上昇した。また、ウラン供給大手のカメコ(CCJ)も3%高で取引されている。
建設は2026年から開始され、最初の原子炉が2030年までに運転を開始する予定。全8基が完成すれば、年間約5500万トンのCO2排出削減効果が見込まれる。これは石炭火力発電所約10基分に相当する規模だ。
トランプ氏は声明で「エネルギー支配(Energy DOMinance)を達成し、AI時代の米国経済を支える」と強調。原子力エネルギーを基盤とした新たな産業競争力の構築を目指す方針を示した。
専門家の見解
BTCCアナリストチームは「AIとエネルギー問題は密接に関連しており、今回の投資は戦略的に重要」と評価。一方で「建設コストの増大や地元住民の反対など、課題も多い」と指摘する。
コロンンビア大学エネルギー研究所のサラ・ウィリアムズ教授は「原発建設には通常10年以上かかるが、AIの電力需要はそれより早くピークを迎える可能性がある」と懸念を示す。その上で「再生可能エネルギーとの最適な組み合わせが鍵になる」と述べた。
今後の見通し
今回の計画が実現すれば、米国のエネルギー構造に大きな変革をもたらすと予想される。特にAI産業の集積地であるカリフォルニア州やテキサス州での電力供給安定化に寄与するとみられる。
一方、環境団体からは安全性への懸念や核廃棄物処理問題を指摘する声も上がっている。今後の議会審議や規制当局の動向が注目される。