[速報] LGエネルギーソリューション、米ジョージア工場建設中断…移民取り締まりの余波(2025年9月10日)
LGエネルギーソリューションが米国ジョージア州での工場建設を中断する方針を明らかにした。移民労働者へのビザ発給遅延が直接的な原因とされ、約300人の雇用創出が見込まれていたプロジェクトが頓挫する事態に発展。米国の厳格化する移民政策が韓国企業の投資判断に影響を与えた初のケースとして注目されている。
工場建設中断の背景
LGエネルギーソリューションは4日、ジョージア州で進めていた電気自動車用バッテリー工場の建設計画を中断すると発表。移民税関捜査局(ICE)の取り締まり強化により、専門職ビザ(H-1B)や企業内転勤ビザ(L-1)の発給が大幅に遅延していることが直接的要因だ。同工場は総投資額475億ウォン(約300億円)規模で、現地に300人以上の雇用をもたらす予定だった。
「移民政策の不透明性が投資環境を悪化させている」とLG側は説明。特に高度な技術を要するバッテリー生産には熟練労働者が不可欠だが、ビザ発給遅延が人材確保を困難にしたという。業界関係者は「技術移転を目的とした専門家の派遣ができず、工場の操業開始時期すら不透明な状況」と指摘する。
米国の移民政策強化の影響
バイデン政権発足後、米国では移民規制が段階的に強化されてきた。特に今年に入り、H-1Bビザの抽選方式変更や審査基準の厳格化が実施され、企業の採用プロセスに混乱が生じている。調査会社CIOの分析によると、技術系ビザの発給遅延率は前年比76%増(10社中)に達している。
「『アメリカン・ファースト』政策の一環で、外国人人材への依存度低減を図っている」と専門家は解説。IRA(インフレ抑制法)による国内産業育成策とも相まって、海外企業の米国進出にブレーキがかかる可能性が指摘されている。
今後の見通し
LGは声明で「現地パートナーと協議を継続し、最善の解決策を模索する」と表明したが、具体的な再開時期は未定。韓国貿易協会の関係者は「移民政策を巡る政治的な駆け引きが続く限り、同様の事態が発生するリスクがある」と懸念を示す。
今回の決定は、韓国企業の対米投資戦略に大きな影響を与える可能性がある。特にバッテリー・半導体など先端技術分野では、人材移動の自由度が投資判断の重要な要素となるためだ。あるアナリストは「グローバルサプライチェーン再編の過程で、政策リスクの評価基準が変化している」と指摘する。
専門家の見解
産業研究院のキム・サンホ博士は「移民政策の不確実性が投資環境の評価指標として重要性を増している」と分析。「企業は単なる税制優遇だけでなく、人材確保の見通しも含めた総合的な判断が必要」と提言する。
一方で、現地採用を拡大する動きもある。HMGMA(ヒュンダイモーターグループ米国法人)は、移民ビザに依存しない現地人材育成プログラムを強化中だ。しかし「高度な技術職の育成には時間がかかる」(現地関係者)との指摘もあり、短期的な解決策には限界があるようだ。
投資家への影響
今回の発表を受け、LGエネルギーソリューションの株価は一時2.3%下落。アナリストらは「短期的な影響は限定的だが、政策リスクプレミアムの再評価が必要」との見方を示す。米国市場での販売目標達成に向けた生産体制の再構築が今後の焦点となる。