ヤマノHD、年間10億円のBTC取得枠を設定──M&A対価への活用、国内上場企業で初の本格検討開始
東証スタンダード上場のヤマノホールディングス(7571)は15日、M&A戦略におけるビットコイン(BTC)活用の本格検討を開始し、年間最大10億円のBTC取得枠を設定したと発表した。譲渡対価の一部にビットコインとプットオプションを組み合わせる新スキームを採用する構想で、国内上場企業がM&A対価へのBTC活用を公式に検討するのは初の事例となる。美容・和装・教育・リユース事業を手掛ける同社は、メタプラネット元ボードメンバーを外部アドバイザーに迎え、レンディングによる運用も視野に入れた攻めの財務戦略を加速する。
M&A対価にBTCとプットオプションを組み合わせる新スキーム
ヤマノHDは中期経営計画「Tsunageru 2027」に基づき、事業承継型M&Aを成長戦略の柱としている。美容・和装・教育・リユース事業を展開する同社グループは、これまでも複数のM&Aを実行してきた。
今回の検討で特徴的なのは、単なるBTC
BTC購入・保有にとどまらないスキーム設計だ。M&Aの譲渡対価の一部としてBTCを組み合わせるだけでなく、売り手に対して「あらかじめ定めた条件で当社に売却できる権利(プットオプション)」を付与する仕組みも検討する。売り手は将来的なBTC価格上昇の恩恵を享受しつつ、価格下落リスクにも対応できる選択肢を持つことになる。
ヤマノHD側にとっても、現金対価にBTCとプットオプションを組み合わせることで、案件ごとの初期キャッシュアウトを抑制し、複数のM&A案件に機動的に資金を配分できるメリットがある。
年間10億円のBTC取得枠、レンディングも検討
取得枠の詳細は、対象通貨がBTC、年間購入上限額が10億円、実施期間は2026年6月から2027年5月までの当初1年間となっている。取得方法はドルコスト平均法による分割取得を基本とし、取得価格の平準化を図る。レバレッジ取引は行わず、四半期ごとの時価評価と取締役会への報告を行う運用管理体制を整備する。
保有するBTCについては、仮想通貨交換業者等の貸仮想通貨サービス(レンディング)を活用し、保有期間中の資産効率向上を図ることも検討対象としている。
メタプラネット元ボードメンバーが外部アドバイザーに
本検討の外部アドバイザーには、公認会計士・税理士の髙桑昌也氏が就任した。同氏は2026年3月まで株式会社メタプラネット(東証スタンダード)のボードメンバーとして仮想通貨分野に従事しており、国内上場企業のBTC戦略に関する実務経験を持つ。金融庁証券取引等監視委員会やみずほコーポレート銀行での勤務経験もあり、法務・税務・会計・金融規制の各論点を横断的にカバーできる体制だ。
なお、同社は本件が2027年3月期連結業績に与える影響は現時点で軽微と見込んでいるが、具体的なM&A案件で本スキームを活用する場合や、業績に重要な影響が生じた場合には速やかに開示するとしている。
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