バイナンスがWSJを正式提訴──イラン報道「虚偽」と「クリック誘導ジャーナリズム」を厳しく非難

仮想通貨取引所最大手のバイナンスは2026年3月11日、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)を名誉毀損で正式に提訴した。同社はWSJが同年2月に掲載したイラン関連報道を「虚偽」と断じ、『クリック数を優先するジャーナリズム』として厳しく批判。訴訟の目的として『評判保護・公的記録訂正・誤情報による行政調査誘発防止』の3点を明確に示し、暗号業界における情報の正確性を巡る重大な対立が司法の場へ移行した。
WSJの報道とバイナンスの主張
WSJは2月23日付記事で、バイナンスがイラン系組織への送金疑惑を内部調査した担当者を解雇したと報じた。バイナンスはこれに対し即座に反論・訂正を求めたが、WSJが応じなかったため提訴に踏み切った。
デュガン・ブリス(Dugan Bliss)グローバル訴訟責任者は「本訴訟は、誤情報から自社を守り、ジャーナリズムの誠実さよりクリック数を優先したWSJの説明責任を追及し、重大な信頼毀損と事業上の損害に対処するための必要な措置だ。この種の報道は業界全体への信頼を損ない、ユーザー保護と健全なイノベーション推進に尽力している関係者の努力を損なう」と述べた。
バイナンスは提訴に合わせ、自社コンプライアンスプログラムの成果を数値で開示した。制裁関連エクスポージャー(制裁対象との取引接触率)は取引高全体に占める比率で、2024年1月の0.284%から2025年7月には0.009%へと96.8%削減された。イランの主要4仮想通貨取引所への直接エクスポージャーも419万ドル(約6.6億円)から11万ドル(約1,744万円)へ97.3%減少している。
2025年には世界で7万1,000件超の法執行機関リクエストを処理し、不正資産の凍結・回収でも数億ドル規模の協力実績を持つ。コンプライアンス・調査・リスク部門の担当者は1,500人超で、全社員の約4分の1に相当する。
バイナンスは20以上の司法管轄で規制認可・ライセンスを保有し、アブダビ・グローバル・マーケット金融サービス規制機構(ADGM FSRA)から完全認可を受けた初の仮想通貨取引所でもある。ユーザー数は3億人を超えている。
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