米司法省、ベネズエラ人による10億ドルの暗号通貨資金洗浄スキームを摘発
米司法省が、ベネズエラ人男性ホルヘ・フィゲイラを中心とする国際的な資金洗浄ネットワークを摘発しました。約10億ドルに上る不正資金が、銀行口座、暗号通貨取引所、プライベートウォレットを利用して洗浄されていたことがFBIの調査で明らかになりました。本記事では、この大規模な暗号通貨を利用した資金洗浄スキームの詳細と、近年急増する不正な暗号資金フローの実態を解説します。
複雑なステップを踏んだ暗号通貨資金洗浄の手口
59歳のベネズエラ人ホルヘ・フィゲイラ容疑者は、複数の国にまたがる洗浄ネットワークを運営していたとされています。起訴状によると、不正資金はまず従来の銀行システムを通じた後、複数の暗号通貨取引所で分散され、最終的にプライベートウォレットに移されていたとのことです。
「フィゲイラ容疑者は、資金の出所を隠すために非常に洗練された方法を採用していました」とFBI特別捜査官は述べています。「複数の取引所を利用し、資金を分割して移動させることで、追跡を困難にしていたのです」
特に注目されているのが、USDT(テザー)を中心とした安定通貨の利用です。価格変動が少ない特性を逆手に取り、大規模な資金移動を可能にしていたとみられています。
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規制強化にも関わらず急増する不正な暗号資金フロー
Chainalysisのデータによると、2025年の不正な暗号通貨取引量は前年比162%増の1,540億ドルに達しました。これは2020年の70%増から急激に増加しており、暗号通貨が不正資金の移動手段としてますます利用されている実態が浮き彫りになっています。
特に懸念されているのが、以下の3つの傾向です:
- 安定通貨の利用増加(全体の84%)
- 分散型取引所(DEX)経由の取引(7%増)
- プライベートウォレットを利用した資金隠蔽
BTCCのアナリストは「規制が強化される中で、犯罪者はより高度な技術を利用するようになっています。特に、複数の取引所を跨いだ『チェーン・ホッピング』と呼ばれる手法が増えています」と指摘します。
2025年には、1回の取引で8,000BTC(当時のレートで約4億8,000万ドル)を移動させた事例も確認されています。このような大規模な取引は、監視の目をくぐり抜けるために複数の取引所を利用して分割されていたと考えられています。
暗号通貨業界の対応と今後の課題
今回の事件を受け、主要取引所ではKYC(本人確認)手続きのさらなる強化が進められています。BTCCを含む主要プラットフォームでは、1万ドル以上の取引に対して追加の身分証明書提出を義務付けるなどの対策を実施中です。
しかし、専門家の間では「技術的な対策だけでは不十分」との声も上がっています。国際刑事警察機構(インターポール)の幹部は「暗号通貨を利用した犯罪に対処するには、国境を越えた協力体制が不可欠」と強調しています。
本記事は投資アドバイスを目的としたものではありません。暗号通貨取引には高いリスクが伴いますので、十分な調査と自己責任で行ってください。
よくある質問
今回の事件で利用されていた主な暗号通貨は?
起訴状によると、USDT(テザー)が中心的な役割を果たしていました。価格が安定している特性から、大規模な資金移動に利用されていたとみられます。
暗号通貨の不正利用は増えているのでしょうか?
はい、Chainalysisのデータでは2025年の不正取引量は前年比162%増となっており、急増傾向が確認されています。
一般の暗号通貨利用者はどう対策すればいいですか?
信頼できる取引所を利用し、KYC手続きを完了させることが基本です。また、不審なオファーには注意し、資産は複数のウォレットに分散して保管することをお勧めします。