仮想通貨ハッキングの敵か味方か|中国発・最強クラスAI、まさかの脆弱性悪用能力が2倍に急成長
中国のAI開発企業Z.aiは14日、新モデル「GLM-5.3」を発表した。コーディング性能で世界最高水準に達した一方、開発元自身も「予想以上に速く発達した」と認めるサイバー攻撃能力が注目を集めている。脆弱性の発見を測るベンチマーク「CyberGym」では84.5%を記録し、Anthropicの「Mythos 5」(83.8%)やOpenAIの「GPT-5.6 Sol」(83.6%)を上回って首位に立った。特にエクスプロイト(脆弱性の悪用)領域では前世代からスコアが2倍以上に向上しており、同社は「孤立した欠陥を見つけるだけでなく、完全な攻撃の連鎖に向けた計画を立て始めた」と説明する。実際に中国のセキュリティチームと連携し、269のプロジェクトから2,436件の脆弱性を特定。うち1,097件は中〜高の深刻度で、最古の欠陥は約40年前から見過ごされてきたものだという。同社は安全性評価と対策の完了後、2週間をめどに重みを一般公開する計画。脆弱性発見能力の高いAIが誰でも使える形で出回ることになり、業界では仮想通貨取引所やプロトコルへの影響を懸念する声が上がっている。
「防御の武器」と「攻撃の道具」の綱引き
脆弱性発見AIが仮想通貨業界にとって敵か味方かは、すでに現実の論点になっています。防御側ではAIによる大規模な脆弱性診断が始まっており、8月上旬にはビットコインのコードを対象にAIが55時間で6,700件超を指摘した事例があります。ただしこの時は、指摘の多くが実際のリスクにつながらないノイズだったとの評価もあり、AIの診断能力をどこまで信頼できるかが問われています。
一方で同じ能力は攻撃側にも渡ります。8月上旬には「AI支援型の攻撃」を受けたビットコインのブリッジが停止する事態が起きたほか、過去にはClaudeを使って発見された脆弱性を背景に、ある仮想通貨が1日で36%暴落しました。誰でも入手して手元で動かせるオープンウェイト型の場合、利用時に提供企業の審査を挟む商用AIと違い、攻撃者の手に渡るのを止める仕組みがないとも言えます。
この非対称性こそ、防御側が最も懸念してきた点です。8月上旬にはコインベースなど仮想通貨業界がAI大手にセキュリティ機能の開放を要請しました。規則を守る防御側が商用AIの安全機構で調査を制限される一方、規則に従わない攻撃側は能力の制約を受けず「置き去りにされている」との訴えです。
安全対策後の公開とはいえ、フロンティアクラスの攻撃能力を持つモデルが自由に使える形で登場することはこの綱引きの均衡をさらに攻撃側へ傾ける可能性もあります。誰にどこまでAIの能力を渡すのか、この議論は仮想通貨業界でも引き続き熱を帯びそうです。
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記事ソース:Z.ai
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