JPモルガンが指摘:分散型金融(DeFi)とトークン化の成長はまだ「期待外れ」だが、未来は明るい?
伝統的な金融の巨人がまたしても仮想通貨業界に冷や水を浴びせた。JPモルガンの最新レポートによれば、DeFiとトークン化の進展は依然として「期待に届かない」という。
しかし本当にそうだろうか?
ウォール街の銀行が新しい技術を過小評価するのは珍しいことではない—特にそれが彼らのビジネスモデルを脅かす可能性があるときは。DeFiの総資産額は依然として伝統的な金融市場と比べれば小規模だが、その成長曲線は無視できない。
トークン化についても同様だ。現実世界資産(RWA)のトークン化は着実に進展しており、2025年現在で500億ドル規模に達している。これは「期待外れ」と呼ぶにはあまりにも急成長だ。
金融機関の懐疑論は、おそらく変化への恐れの表れだろう。結局のところ、銀行がブロックチェーンを恐れる本当の理由は、技術そのものではなく、彼らが不要になる可能性だからだ。
- JPモルガンによると、DeFiの回復は鈍いままで、預かり資産(TVL)は依然として2021年の高値を下回っている。
- ニコラオス・パニギルツォグロウ氏とチームは、レポ市場、債券市場、短期金融市場における関心とユースケースの増加にもかかわらず、トークン化はまだ拡大していないと述べた。
- 既存のシステムがリスクや透明性を高めることなくスピードと効率性を提供するようになっているため、伝統的金融はブロックチェーンを受け入れられていないとJPモルガンは指摘した。
JPモルガンのニコラオス・パニギルツォグル(Nikolaos Panigirtzoglou)氏は6日の調査レポートで、分散型金融(DeFi)と資産トークン化の成長は依然として期待外れだとし、2022年の仮想通貨(仮想通貨)の冬以来回復が停滞していることに言及した。
報告書によれば、DeFiにおける預かり資産(Total Value Locked:TVL)は2021年の高値を下回ったままであり、活動の大部分は依然として仮想通貨ネイティブなユーザーや個人ユーザーによって牽引されている。
パーミッション型レンディング・プールやKYC対応資産保管庫などコンプライアンス対応のインフラの開発が行われているにもかかわらず、機関による導入は遅れているとパニギルツォグル氏は指摘した。
大きな障壁が残っている。機関が規制の細分化、オンチェーン資産をめぐる法的不確実性、スマートコントラクトのセキュリティに対する懸念に直面しているとアナリストらは述べた。その結果、機関による仮想通貨活動の大部分は依然としてビットコイン(BTC)に集中している。
トークン化もまた成果を上げるのに苦戦している。トークン化資産は250億ドル(約3兆6250億円、1ドル145円換算)、トークン化債券は80億ドル(約1兆1600億円)規模で、マネー・マーケット・ファンドでの導入事例も増えており、このセクターは一定の進展を見せているものの、ほとんどの取り組みは依然として小規模、非流動的、または実験段階にあるとJPモルガンは指摘した。ブラックロック(BlackRock)のBUIDLやブロードリッジ(Broadridge)の分散型台帳レポ(DLR)プラットフォームのような著名な取り組みは効率性向上をもたらすが、規模の面では不十分だ。
パニギルツォグル氏は、プライベート市場においてトークン化は少数のプレイヤーに集中しており、流通市場での活動はほとんどみられないと指摘した。
報告書によれば、伝統的な投資家の多くは、特にブロックチェーンの透明性を考慮して懐疑的な立場を維持している。透明性は、ダークプールのような不透明な取引の場を好む機関にとってはデメリットとなる。取引所外株式取引の継続的な増加がこれが好まれることを示している。
米証券取引委員会(SEC)の「プロジェクト・クリプト(Project Crypto)」のような規制上の取り組みはあるものの、パニギルツォグル氏は、規則の変更のみでより深刻な問題が克服できるかどうかに疑問を呈した。その問題とは、伝統的金融がいまだにブロックチェーンの明確な必要性を感じていないことだ。
フィンテックが既に現行システムのスピードと効率性を向上させており、トークン化された代替手段の導入に対する緊急性は低下していると報告書は述べた。
|翻訳・編集:林理南
|画像:ChrisTIAn Dubovan/Unsplash
|原文:Decentralized Finance and Tokenization Growth Still Disappoints: JPMorgan