NTT Digitalが消滅へ──ドコモ・グローバルによる吸収合併が進行中
巨大通信グループの再編が、静かに、しかし確実に進んでいる。
NTTグループのデジタル変革の尖兵として設立されたNTT Digitalが、その役割を終えようとしている。親会社であるNTTドコモの完全子会社、ドコモ・グローバルによる吸収合併が決まった。2025年12月現在、この動きは業界内で大きな波紋を広げている。
なぜ今、吸収なのか?
答えはシンプルだ。効率化と集中だ。グローバル市場での競争が激化する中、重複する機能やリソースを一本化し、意思決定を迅速化する必要に迫られている。一つの組織として動くことで、顧客へのサービス提供や新技術の導入をスピードアップできる。
デジタル戦略の「終わり」と「始まり」
NTT Digitalの消滅は、同社の取り組みが失敗したことを意味しない。むしろ、その使命が一段階を終え、より大きな組織の一部として次のフェーズに移行することを示している。デジタルトランスフォーメーション(DX)やクラウドサービス、スタートアップ連携といった事業は、今後、ドコモ・グローバルの傘下でより広範なリソースを背景に展開される見込みだ。
これは、伝統的な大企業がデジタル時代に対応するための、一つの典型的なシナリオと言える。最初は独立した敏捷な部隊を編成し、そのノウハウと文化を本隊に吸収させる──まるで、派閥政治の駆け引きを思わせるような、企業版M&Aの常套手段だ。
市場への影響と今後
短期的には、組織統合に伴う混乱が懸念される。しかし中長期的に見れば、リソースの集中と明確な指揮系統の確立は、NTTグループ全体のデジタル競争力を高める可能性がある。日本のテクノロジー産業におけるさらなる再編の前兆となるかもしれない。
結局のところ、企業の「消滅」は、しばしば「進化」の別名に過ぎない。少なくとも、四半期ごとの数字に追われる経営陣のスライド資料の上では、そう説明されることだろう。
NTT Digitalは19日、2026年2月1日付でNTTドコモ・グローバルに吸収合併されることを発表した。これにより、グループのWeb3戦略を牽引してきた専業子会社は消滅し、事業は存続会社に継承される。
存続会社となるドコモ・グローバルは、グループの海外事業統括を目的に2024年7月に設立された組織であり、その設立発表が行われた同年5月時点ですでに、NTT Digitalの株式を同社の傘下へ移管し、集約する方針が示されていた。
今回の合併は、当初から計画されていたグループ再編の流れに沿ったものといえる。
NTT Digitalは、2023年7月にドコモのWeb3推進子会社として名称を改め本格始動し、国内外のパートナーとの連携を通じて基盤構築を推進してきた。
2025年9月にはデジタルウォレット「scramberry WALLET」の提供を終了しているが、当時のCoinDesk JAPANの取材に対し同社は、一連の決定を個別サービスの整理と位置づけ、「NTTグループ全体のWeb3戦略からの撤退ではない」と明言していた。
関連記事:【独自】NTT Digitalが明かす「scramberry WALLET」サービス終了の理由──「NTTグループのWeb3撤退ではない」
実際に、同社が注力してきたバリデーションサービスやノード運営などのブロックチェーンインフラ事業は、合併後もドコモ・グローバルにおいて全事業が継続されるという。
|文:栃山直樹
|画像:NTT Digitalウェブサイトから(キャプチャ)
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