トランプ氏の息子がバックアップする米国暗号企業、アジアでビットコイン関連企業の買収を積極検討—次の金融革命か、それともただの投機?

仮想通貨業界が再び熱を帯びる中、トランプ元大統領の息子たちが支援する米国の暗号企業がアジア市場に目を向けている。ビットコイン関連企業の買収を模索する動きは、規制が厳しい米国を離れ、成長著しいアジア市場での足がかりを築くためだ。
「暗号の冬」が終わりを告げ、機関投資家の参入が増える中、同社の動きは戦略的と見られている。しかし、一部のアナリストは「政権とのつながりを利用した単なるポジショニングではないか」と冷笑的だ。
アジアでは日本や韓国、シンガポールが仮想通貨のハブとして台頭。特に日本ではFSA(金融庁)の規制緩和が追い風となり、取引量が急増している。
買収対象となるのは、主にビットコインのマイニング関連企業や取引所とみられる。同社は「東南アジアの安価な電力とハイテク人材を活用したい」とコメント。
暗号業界の大物たちは「これは単なる買収ではなく、次の金融システムのパラダイムシフトだ」と熱狂。一方、伝統的な銀行関係者は「また新しい形のバブルが生まれるだけ」と冷ややかだ。
トランプ家と仮想通貨市場の接近
トランプ家はここ数カ月で仮想通貨分野への関与を深めている。ビットコイン価格の上昇と規制環境の緩和を背景に、米国では「クリプト財務企業」と呼ばれる新形態が相次いで誕生。これらは株式や社債を発行し、その資金で仮想通貨を購入する仕組みで、投資家は間接的に仮想通貨価格へ投資できる。
先行するマイクロストラテジーは現在約62万9,000ビットコインを保有し、その時価は約7兆6,000億円規模に達する。同社の企業価値は約11兆円に上昇しており、市場の注目を集めている。
アメリカン・ビットコインも同様にビットコインを財務資産として積み上げる計画だが、同社は自ら採掘(マイニング)事業も展開している点で異なる。9月にはナスダック上場のグリフォン・デジタル・マイニングとの合併により米国市場での上場を予定している。
アジア市場の狙いと展望
アジアは仮想通貨取引に熱心な個人投資家層が厚く、特に香港はデジタル資産ハブを目指す政策を打ち出している。アメリカン・ビットコインが日本や香港で買収に動けば、新たな投資需要を開拓する可能性がある。
同社の共同創業者で最高戦略責任者を務めるエリック・トランプ氏は、効率的な運営と長期的な株主価値の創出を掲げ、「世界で最も強固なビットコイン蓄積基盤の構築」を目指すと強調している。
背景には、ニューヨークのトランプタワーを拠点とする証券・フィンテック企業「ドミナリ・ホールディングス」の存在がある。ドミナリは2025年2月にドナルド・ジュニア氏とエリック氏を経営顧問に迎え入れ、直近の売上高は前年比5倍超の伸びを示した。
トランプ家の広がる仮想通貨ビジネス
アメリカン・ビットコインのほかにも、トランプ家の仮想通貨関連事業は拡大している。6月にはドナルド・トランプ前大統領が仮想通貨企業「ワールド・リバティ・ファイナンシャル」から約57億円の収入を得たと公表。この企業は今週、ブロックチェーン企業ALT5シグマと組み、自社トークン15億ドル分の買い戻しを発表した。
さらに、トランプ家が支配するSNS運営会社「トランプ・メディア&テクノロジー・グループ」も15億ドルの新株発行と10億ドルの転換社債発行を通じ、「ビットコイン財務」を創設する計画を明らかにしている。
トランプ家の動きは、米国市場にとどまらずアジアの仮想通貨市場にも波及する可能性がある。アメリカン・ビットコインが実際に日本や香港で企業買収に踏み切れば、仮想通貨をめぐる国際的な競争の新たな局面となりそうだ。