Acurastが22万5000台のスマートフォンでAIネットワークを構築—分散型コンピューティングの新時代が到来
スマートフォンの海が人工知能の動力源に変わる—Acurastが従来のクラウドモデルをひっくり返す。
クラウド独占へのアンチテーゼ
データセンターに数十億ドルを投じる代わりに、Acurastは世界中の22万5000台のスマートフォンに眠る未使用の処理能力を動員する。これが同社の分散型AIネットワークの核心だ—中央集権的なインフラを必要とせず、スマホの待機時間を計算資源に変換する。
プライバシーと効率の両立
エッジデバイス上で直接AI推論を実行するアーキテクチャは、データ移動を最小限に抑え、遅延を削減する。ユーザーは処理能力を提供することで暗号通貨報酬を得る仕組みで、従来のクラウドサービス業者を中間者として排除する。
金融業界への波及効果
このモデルが成功すれば、AI開発コストの大幅な低下をもたらす可能性がある—特に高頻度取引アルゴリズムやリアルタイム市場分析ツールの分野で。従来のベンダーロックインから解放され、より競争的なAIサービス市場が形成されるだろう。
懐疑的な見方も
しかし、スマートフォンネットワークの信頼性とセキュリティには疑問が残る。金融機関の規制要件(日本のFSA基準など)を満たせるのか?結局のところ、ウォール街のトレーダーたちは、スマホのバッテリー残量が20%を切った瞬間にAI分析が停止するようなシステムを信用するだろうか—彼らは依然として高価なブルームバーグ端末に年間2万4000ドルも支払っているのだから。
それでも、Acurastのアプローチは明らかなトレンドを示している:集中化から分散化へ、独占から民主化へ。22万5000台のデバイスが単なる数字ではなく、コンピューティングパワーの新たな地理的分布を意味するなら、AIと金融の未来は再定義されるかもしれない。
スマートフォンが新たなクラウドに
Acurastは、世界中にすでに展開されている数十億台のスマートフォンを活用し、分散型のコンピュートレイヤーの創出を目指す。従来のクラウドプロバイダーによる中央集権型サーバーは、検閲やデータ漏洩リスクを伴う。一方で、Acurastのモデルは140カ国以上のデバイスにワークロードを分散し、すべての機密AI推論タスクをセキュアなハードウェアエンクレーブ内で実行する。
Baseの創設者、ジェシー・ポラック氏のコメント:
「Baseはビルダーにとって斬新な発想をオンチェーンで実現できる最高の場を提供することを目的にしている。Acurastはスマートフォンによる分散型かつ機密性の高いコンピュートを導入することで、この機会をさらに拡大させた。これにより、開発者はBase上で安全かつ検証可能、そして中央集権に依存しないAIワークロードの実行が可能となる。現実世界の自律型アプリケーションを完全にオンチェーン化するためのインフラだ。」
本ネットワークはトークン発行イベントを経て、Baseのメインネットで稼働を開始しており、すでに本番ワークロードを安全に処理している。
Acurastの創業者、アレッサンドロ・デ・カルリ氏のコメント:
「AIエージェントがオンチェーン上の現実資産を管理するのであれば、中央集権型サーバーだけに依存することはできない。スマートフォンを基盤とするTEEを活用することで、検証可能な分散型・ユーザー主導の機密AIを実現している。」
機密性AIとネイティブ決済
この統合の鍵となるのは、コンピュートへの支払いメカニズムである。
Acurastは、Baseネットワーク上でUSDCによるネイティブ決済をサポートし、ブリッジやオフチェーン決済レイヤーを必要としない。AIエージェントは、x402決済規格(もともとはHTTPベースのステーブルコイン即時決済を実現するために開発)を活用することで、リアルタイムで自動的にコンピュートリソースに対し支払いができる。
これにより分散型サービスにおけるリクエストごとの従量課金モデルが実現し、AIエージェントがタスク処理のたびUSDCで自動的に料金を精算できるようになる。APiやデータサービス、高度なオンチェーンロジックと自律的に連携するWeb3アプリの基盤だ。
オンチェーンAIに新たなレイヤー
Base上でAcurastを利用する開発者は、Acurast Hubを通じてデバイスの登録やコンピュートインフラの管理をBaseウォレットで行える。
Hub内では、取引の自動実行や資産管理、オンチェーン決済などを行う自律型AIエージェント(ボット等)をセキュアにデプロイできる。入出力情報はすべて暗号化されており、ノード運用者にも内容は見えない。
すべてのAI推論はスマートフォンのTEE内で処理され、デバイス所有者や外部の第三者が機密情報にアクセスできない設計。金融・ID・企業ワークフロー等、プライバシー重視の用途に最適。
データセンターを超えて
この動きはAcurastの急速な成長を受けたもの。2025年を通じて、分散型コンピュートネットワークは飛躍的に拡大し、数万台規模から数十万台のスマートフォンへとWeb3ワークロードの基盤を広げた。
Acurastは大規模な機密コンピューティングの発展を推進し、分散型物理インフラ(DePIN)、オンチェーンAI、リアルタイム機械ネイティブ決済を融合する。
ネイティブトークンが主要取引所で取引され、グローバルネットワークが本番ジョブを実行する今、Acurastは「分散型・検証可能・機密・自律設計」という新しいオンチェーンアプリケーションの基盤構築を目指している。