エプスタイン氏のメールが暴露:ゲンスラーSEC委員長との仮想通貨協議計画が明らかに
内部メールが流出―規制当局トップと暗号業界の水面下での接触が浮上
【計画された密室協議】
最近公開されたジェフリー・エプスタイン氏のメール記録から、ゲイリー・ゲンスラー米証券取引委員会(SEC)委員長が在任前、仮想通貨関連の非公開協議を計画していた事実が判明。当時MIT教授だったゲンスラー氏は、エプスタイン氏を通じて業界関係者との対話を調整しようとしていた。
【規制と革新の狭間】
メールは2019年、ゲンスラー氏が「デジタル資産に関する議論」を提案したことを示している。この時期はちょうど、彼がSEC委員長に指名される約2年前。現在の厳格な規制姿勢とは対照的に、当時は業界との対話に前向きな姿勢が窺える―少なくとも書面上では。
【金融界の皮肉】
ウォール街の古い諺にあるように、「規則は書かれる前に交渉される」。暗号業界が現在直面する規制の厳しさは、初期段階で築かれた関係性の欠如が一因かもしれない。あるいは単に、役人が椅子に座ると見解が変わるという、よくあるパターンなのか。
透明性を標榜するブロックチェーン業界だが、最も重要な政策決定は依然として非公開のメールと密室会談で形作られる。伝統金融と同じく、結局は「誰を知っているか」が重要になるようだ―ただ今回は、その「誰か」が後に重大な問題を抱える人物だった。
エプスタイン関連文書で新たな仮想通貨事案判明
一方、内部メッセージからは、エプスタイン氏がMITメディアラボの幹部関係者による仮想通貨関連の集まりにも言及していた事実が確認できる。
あるメッセージでは、「ゲイリー・ゲンスラー氏に興味があるか」と他者に問い合わせており、当時ゲンスラー氏が仮想通貨に関する学術・政策分野で活動していた様子が示唆されている。
また別のメッセージでは、エプスタイン氏は「明日はゲイリー・ゲンスラー氏と仮想通貨について会う」と書き残しているが、資料から直接会談が実際に行われたかどうかは確認できなかった。
Jeffrey Epstein met with Gary GENSler before Gensler became SEC Chair to discuss digital currencies.
Gensler went on to play a central role in drafting Biden’s Executive Order 14067, which authorized the U.S. government to pursue a CBDC while taking a whole-of-government… pic.twitter.com/nureBt2yFa
当時、ゲンスラー氏はMITの教授であり、ブロックチェーンやデジタル通貨に関する講義を担当していた。
その後、同氏は2021年から2025年までSEC委員長を務め、米国史上もっとも強力な仮想通貨規制強化を指揮した。
ゲンスラー氏への言及と並び、エプスタイン氏が仮想通貨の初期開発や投資に深く関わっていたことも多くの証拠から明らかになっている。
DOJの資料によれば、エプスタイン氏はMITメディアラボに数十万ドルの寄付を行い、ビットコイン財団の崩壊後にはビットコインコア開発者を支援するデジタル通貨イニシアチブへの資金提供も行っていた。
このイニシアチブにより資金提供を受けた開発者の中には、ビットコインのオープンソースプロトコルの主要管理者も含まれていた。
さらに財務記録からは、エプスタイン氏が2014年に仮想通貨取引所コインベースへ300万ドルを投資していたことも確認されている。
同氏はまた、ビットコインインフラ企業ブロックストリームにも投資し、初期のビットコイン開発者や研究者、ベンチャーキャピタリストとも交流していた。
さらに、エプスタイン氏が2016年にビットコインをモデルとしたシャリーア適合のデジタル通貨を提案していたことも、メールから明らかになっている。
ただし、資料からは、エプスタイン氏とゲンスラー氏の間に何らかの金銭的関係があったことや、2人が直接会談した、あるいは仮想通貨関連プロジェクトで協働した事実は確認できなかった。
それでも、これらの文書は、エプスタイン氏が仮想通貨、学術界、金融政策の有力者たちとの関係構築に継続的に注力していたことを裏付けている。