金融庁が7職種で外部人材を一斉公募―筆記試験免除で多様な人材獲得へ

金融庁が規制の壁を突破―伝統的な採用プロセスをバイパスし、7つの専門職種で外部人材を一斉募集。
筆記試験を完全撤廃
官僚的なハードルを排除。実務経験と専門性を最優先する方針転換で、金融監督の実効性強化を目指す。
多様性が鍵握る
従来の閉鎖的な人材循環から脱却。民間セクターの知見を直接導入し、変化の激しい金融環境への即応力を高める。
金融庁の大胆な人事戦略は、伝統的な「試験エリート」システムへの挑戦状だ―結局のところ、金融規制で必要なのは教科書の知識より、市場の荒波を乗り切った実戦経験だろう?
金融システムの安定維持に向けた体制強化
金融庁は今回、「金利ある世界」への移行に伴う経済転換、地政学リスクの高まり、サイバー脅威の増大など、金融環境の変化に対応するため、組織の強靭化が不可欠と判断した。募集する7職種はいずれも金融行政の根幹を支えるポジションである。
本日1月22日(木)より、金融庁(@fsa_JAPAN)の『ソーシャルインパクト採用プロジェクト』を開始しました。
エンのサイトを通じ、金融機関のモニタリング業務などを担う、7職種で募集します。皆さまからのご応募、お待ちしています。https://t.co/gYhFppfs0S
具体的には、内部監査の検査担当、サイバーセキュリティ対策担当、地域金融機関のモニタリング担当(市場リスク・信用リスク)、保険会社のモニタリング担当、大手証券のモニタリング担当、大手銀行のモニタリング担当の7職種が対象となる。これらの職種では、メガバンクから仮想通貨交換業者まで多様な金融事業者を対象とした検査・監督業務に携わることになる。
従来の選考方式を変更、民間企業に近い形式に
今回の公募では、人事院が実施する国家公務員試験の筆記試験を省略し、面接を中心とした選考を実施する。この選考方式の変更により、多様なバックグラウンドを持つ人材の獲得を目指す。
金融庁は「専門的な知識経験を有する有為な民間等外部人材の積極的な活用が不可欠」とコメントしており、従来の公務員採用の枠組みにとらわれない人材確保を進める方針だ。
募集はエンが運営する「ミドルの転職」「AMBI」「エン転職」の3つの求人サービスを通じて行われる。特設サイトでは各職種の詳細な業務内容や求める人材像が公開されている。ターゲット層の異なる複数の求人サイトを活用することで、幅広い層へのリーチを狙う。
中央省庁における外部人材活用の新たなモデルケース
エンの「ソーシャルインパクト採用プロジェクト」は、社会的インパクトの大きい人材採用を支援する取り組みである。これまでに中央省庁の幹部候補、自治体の副市長やDX担当、NGO・NPO・スポーツ団体などの中核メンバー採用を手がけてきた。同プロジェクトは「入職後の活躍」までこだわって支援する点が特徴で、優れた能力を社会課題解決に活かしたい人材と、そうした人材を必要とする組織を結びつけている。
金融庁の今回の取り組みは、中央省庁における外部人材活用の新たなモデルケースとなる可能性がある。近年、行政機関では専門性の高い業務において民間人材の知見を取り入れる動きが加速しており、金融行政でも同様の流れが本格化している。「金融という切り口から日本に貢献したい」という志を持つ人材の応募が期待される。