ウォーレン・バフェットのバークシャー、38兆ドル現金で仮想通貨市場を注視 - 伝統金融の巨人が動き出す
伝統金融界の重鎮がついに仮想通貨に目を向けた。バークシャー・ハサウェイが38兆ドルもの現金を抱えながら、デジタル資産市場を観測し始めた。
現金の山とデジタルゴールド
バフェット氏は長年「価値のない資産」と批判してきた暗号通貨。しかし同社の巨大な現金ポジションは、従来の投資機会の枯渇を物語る。利回りゼロの現金を38兆ドルも抱えるより、ボラティリティの高い新興資産クラスに目を向けるのは当然の成り行きだ。
観測から参入への道筋
バークシャーが単なる「観測」を超えて実際の投資に踏み切る日は近い。機関投資家の参入が本格化する2026年、伝統金融とデジタル金融の境界線はさらに曖昧になる。彼らが参入すれば、市場の流動性と信頼性は一気に高まる。
皮肉なことに、かつて「ラットの毒」と呼んだ資産クラスに、今や伝統金融の最後の砦が救いを求める。金融業界のジレンマは深まるばかりだ。
バークシャー現金保有が過去最高、バフェット氏引退
バフェット氏は12月31日に引退。60年もの間、バークシャーを苦境の繊維会社から金融界の巨人へと変貌させた。
現在、同社はBNSF、GEICO、バークシャー・ハサウェイ・エナジーなど約200社を傘下に持つ。保有株式はアップル(650億ドル)、コカ・コーラ(280億ドル)、バンク・オブ・アメリカ(320億ドル)、アメリカン・エキスプレス(580億ドル)など。
保険部門のナショナル・インデムニティとGEICOは安定的な保険料収入を生み、株式投資やM&Aの原資となる。これが同社の強力なキャッシュエンジンとなっている。
🚨 MARKET ABOUT TO DUMP?
Big pLAYERs stacking cash heavy
Even Warren Buffett ain’t an exception
His Berkshire Hathaway’s cash pile just hit $277B
THAT’S A RECORD ALL-TIME HIGH!
Last time he had numbers like that was back in 2020 – right before the COVID dump
Looks like… pic.twitter.com/6MO3mOOnVQ
最大の注目点は、バークシャー非保険部門副会長グレッグ・エーブル氏が、この前例のない流動性をどう活用するかという点である。
エーブル氏は株式投資ではなく、エネルギー事業を通じて昇進した人物。現在、同氏が指揮を執る中で、金利は低下し、現金を遊休資産として持つ機会損失が拡大している。
アナリストらは、伝統的なバリュー投資方針を継続する一方、この巨額現金が、市場急落時に割安な企業を買収する好機となる可能性も指摘する。
「失われるのはバフェット氏の人脈(ローロデックス)である。バークシャーは2008年のように、経営不振の銀行支援を要請される存在であり続けるのか?」とUBSのブライアン・メレディス氏の発言を引用し、エコノミスト誌は報じている。
仮想通貨投資家も動向を注視している。バフェット氏はビットコインを「あらゆる意味で有害」と一蹴し、バークシャーも直接的な仮想通貨投資はしていない。
ただし、クリプト業務を展開するブラジルのデジタルバンク「ヌー・ホールディングス」への出資は、エーブル氏体制で間接的なエクスポージャーとなる可能性も示唆する。
ヌー・ホールディングスは、バークシャー・ハサウェイのポートフォリオでも注目度が高い銘柄である。2021年に5億ドルを初回投資し、その後2億5000万ドルを追加投資。企業価値は急騰し、2025年には株価が50%以上上昇した。
バークシャーの38兆2000億ドル資金 仮想通貨市場に慎重さと好機
このパフォーマンスは2023年と2024年の好調ぶりを引き継いだもので、2023年には株価がほぼ2倍、2024年にも約50%上昇した。
「バフェット氏は仮想通貨市場に否定的だったが、グレッグ・エーブル氏はこの資産クラスに関して明確な意見は示していない。ただし、バフェット氏のレガシーを受け継ぎ、実体があり現金を生み出すビジネスに集中する可能性が高い。方針転換には新CEOからの明確なメッセージが必要だが、現時点では見られない」と、セントーラリサーチ部門責任者のフアン・ペリシェ氏は過去にBeInCryptoへ語った。
バークシャーの現行戦略も市場に慎重姿勢を示している。同社は過去3年で約1,840億ドルの株式を売却し、世界的にも最大級の純売り手となった。
3,820億ドルの現金と短期国債と合わせ、この“ドライパウダー”により、市場の暴落時にも耐え、割安な投資先を狙う余地を生み出している。
仮想通貨業界の一部からは、機関投資家の大規模な資金積み増しがリスク回避期に先行しやすい点に注目する声も上がる。これにより、狙い目となる投資タイミングが生まれる可能性がある。
バークシャーの動向は、最も規律あるバリュー投資家ですら相場の荒波を見越して現金を確保しているという教訓を示す。
歴史的に、バークシャーは1965年以降、S&P500を下回ったのは20回のみ。ただし累積リターンは市場平均を大きく上回り、平均年率は19.9%(S&Pは10.4%)。長期では忍耐と流動性が報われることを証明する。
バフェット氏の引退により、エーブル氏がバリュープリンシプルを固持しつつ慎重にデジタル資産の領域を探ることになるのか、引き続き注目される。もし実現すれば、仮想通貨市場に強力な機関投資家が参入する可能性もある。