JPYC EX、開設わずか2カ月で口座1万件突破の快挙=JPYC累計発行額5億円に到達
日本の仮想通貨業界に新たな波が訪れた。
JPYC EX、2カ月で1万口座突破
ステーブルコインJPYCの専用取引所が、開設からわずか60日で1万件の口座開設を突破した。この数字は、日本の個人投資家が円建てデジタル資産へのアクセスを切実に求めていたことを物語る。従来の銀行口座と連携した入出金システムが、参入障壁を劇的に下げた。
累計発行額5億円の意味
JPYCの発行総額が5億円に到達した背景には、実需が存在する。DeFi(分散型金融)での利殖、他の仮想通貨取引の際の基軸通貨、あるいは単純な価値保存手段として、円ペッグの安定性が機能している。伝統的な金融機関が提供する普通預金の微々たる金利を前に、ユーザーは自ら選択を始めている。
規制の枠組みが追いつく
この成長は、金融庁(FSA)の資金決済法に基づく登録事業者としての地位があってこそ可能だった。規制の透明性が、機関投資家の参入だけでなく、一般個人の信頼を醸成する。皮肉なことに、かつて「危険」とレッテルを貼られた技術が、今や最も規制順守的な金融商品の一つへと変貌を遂げつつある。
未来はステーブルコインが握る
JPYC EXの急成長は単なる一時的なブームではない。それは、日本の金融インフラがデジタル化への本格的な移行期に入った証左だ。中央銀行デジタル通貨(CBDC)の議論が続く中、民間主導のソリューションが先んじて実用域に達しつつある。次の節目は10万口座、そして発行額500億円だ。伝統的な銀行業界は、顧客が「ただ座っているだけでお金が減っていく」口座から離れ始める現実を、そろそろ直視する時かもしれない。
国内初のステーブルコイン取引所が急成長
日本円建ステーブルコインの発行・償還を手掛ける「JPYC EX」の口座開設数が1万件を超えた。運営するJPYC株式会社が2025年12月15日時点の実績として公表した。同プラットフォームは2025年10月27日にサービスを開始しており、約2カ月弱での到達となる。累計発行額も5億円に達し、国内におけるステーブルコイン取引基盤として存在感を示す結果となった。
日本円建ステーブルコイン「JPYC」の発行・償還サービスJPYC EX にて、
✅ 累計口座開設数 10,000件
✅ 累計発行額 5億円
を突破しました!
今後も安心して使える社会インフラの実現に取り組んでまいります。
引き続き、JPYC / JPYC EXをどうぞよろしくお願いいたします。https://t.co/NJCTr5U5M9
JPYC EXは、資金移動業者として登録を受けた同社が運営する日本円建ステーブルコイン「JPYC」の発行・償還専用プラットフォームである。利用者は本人確認を経て口座を開設し、発行予約と銀行振込によってステーブルコインを取得できる。償還時は逆の手順で日本円での払い戻しを受ける仕組みだ。本人確認にはマイナンバーカードを用いた公的個人認証を採用している。
同プラットフォームで取り扱うJPYCは、資金決済法第2条第5項に基づく「電子決済手段」に該当する。日本円と1対1で交換可能な設計で、発行価値の裏付け資産は日本円の預貯金および国債によって発行残高の100パーセント以上を保全する。ブロックチェーン技術を活用した低コスト・高速なオンチェーン送金が可能であり、即時の送付・受領に対応している。
多様な用途で利用拡大、エコシステム形成進む
JPYC EXを通じて発行されたステーブルコインは、決済、送金、企業のマーケティング施策、実証実験など多様な用途で活用されている。JPYCは特定の加盟店契約や利用契約を必要としないオープンな設計となっており、業種・業態を問わず自由に組み込むことができる点が特徴だ。
現在、実店舗決済、EC決済、企業間精算、Web3ウォレット、法人会計ソフトウェア、クリエイター支援など幅広い分野での連携が進んでいる。企業と個人双方からの需要が確認されており、ステーブルコインを基盤とした新たなエコシステムの形成が進行している状況だ。こうした多様なユースケースの創出が、プラットフォームの成長を後押ししている。
同社は今後3年間で発行残高を10兆円規模に拡大する目標を掲げている。この実現に向けて、JPYC EXを基盤としたインフラ整備を進めるとともに、パートナー企業との連携強化やプロダクト開発を推進する方針だ。ステーブルコインを社会インフラとして定着させ、国内外における日本円建デジタル通貨の可能性を拡大する構想を描いている。
2026年、金融機関の本格参入で競争激化へ
国内ステーブルコイン市場は2026年に大きな転換点を迎える見通しだ。三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行の3メガバンクは2025年11月、金融庁の支援を受けて共同でステーブルコインの実証実験を開始した。三菱UFJ信託銀行の子会社Progmatが開発する発行基盤「Progmat Coin」を活用し、信託型ステーブルコインを発行する計画である。
実証実験ではまず三菱商事のグローバル決済に活用され、その後、3行合計で30万社を超える法人顧客への展開を視野に入れる。信託型の採用により、JPYCが課される1回100万円の送金上限がなく、大口の企業間決済にも対応可能となる点が特徴だ。金融庁は決済高度化プロジェクトの初の支援案件として本実験を採択しており、2026年中の商用化を目指している。
海外勢の動きも活発化している。米リップル社とSBIホールディングスは2025年8月、ドル建ステーブルコイン「RLUSD」を2026年第1四半期に日本で展開する計画を発表した。SBI VCトレードが販売を担い、日本とフィリピン間の送金など国際送金市場での利用を想定している。また、SBIホールディングスとスタータレグループは、新生銀行を通じた円建ステーブルコインを2026年第2四半期に発行する計画も明らかにしている。市場関係者の間では、2026年末までに国内ステーブルコイン発行残高が数千億円規模に達するとの見方が出ている。