米国若者層「お金より健康が成功」...収入は5位に後退、価値観の大転換
最新調査で、米国の18~34歳の若年層が「成功の指標」として健康を最優先し、収入は5位に後退していることが判明。コロナ禍とSNSの影響で価値観が大きく変化し、ワークライフバランスを重視する「静かな成功」を求める傾向が強まっている。従来のキャリア至上主義から脱却し、心身の健康や人間関係を最重視する新たなライフスタイルが台頭中だ。
なぜ米国ミレニアル世代は「健康=成功」と考えるようになったのか?
アーンスト&ヤングの最新調査によると、18~34歳の米国成人が考える成功基準のトップは「心身の健康」で、2位「家族・子供との強い関係」、3位「人間的成長」、4位「配偶者との関係」と続き、5位にようやく「収入」がランクイン。この傾向は、コロナパンデミックが若者の価値観に与えた影響と深く関連している。
35歳の世代間移動研究者ザック・ディチトワルド氏は「パンデミックは健康の儚さを実感させ、リモートワークの普及がストレス少ない生活選択肢への気付きをもたらした」と分析。従来の「キャリア成功=高収入」という図式から脱却する動きが加速している。
職業観の変化:楽しさ>安定性>収入
若年層の職業選択基準も大きく変化しており、「仕事の楽しさ」が1位、「職業安定性」が2位、「収入」は3位に。オンライン自動車ショッピングサイト共同創業者コール・スミス氏(27)は「40-50代になって仕事以外に興味がなくなることを恐れ、バランスの取れた生活自体が成功だと考えた」と語る。
ソーシャルメディアの影響も無視できない。Z世代は多様な情報に触れ、他人の成功・失敗事例を事前に学べる環境で育った。ディチトワルド氏は「SNSがベビーブーム世代のキャリア終盤の教訓を若者に伝えた」と指摘する。
「静かな成功」を選ぶ実例が急増中
高収入職を捨てて生活バランスを求めるケースが増加。元広告業界のナタリー・アルメンダリス氏(40)はニューヨークでのキャリアアップ後、空虚さを感じてテキサスに移住。現在は19人規模のデジタルデザイン会社を経営しながら、四半期ごとに1週間休業して家族と過ごす。
元教師レイチェル・ベック氏(45)もマンハッタンでのキャリアを経て故郷に戻り、「伝統的な成功指標より個人的な幸福が重要」と気付いた。現在はリゾートで働きながら独身女性向けポッドキャストを配信中だ。
成功の再定義:5つの新基準
37歳の起業家ウォーレン・デバレンス氏は、成功の5要素を「1.心身の健康、2.配偶者関係、3.家族関係、4.個人成長、5.富」と整理。「収入は自然についてくるもの」という新たな価値観が定着しつつある。
この変化は、国際情勢の不安定さや国内政治の二極化が、個人レベルでの安定と平和への希求を強めた結果とも解釈できる。現代の若年層が求めるのは、従来の社会的成功ではなく、自分らしい生き方を実現する「本物の幸福」だ。
よくある質問
米国若者の成功観で健康が1位になった理由は?
コロナ禍で健康の大切さを実感したこと、リモートワーク普及により働き方の選択肢が広がったこと、SNSを通じて多様なライフスタイルを知ったことが主な要因です。従来のキャリア至上主義から脱却する動きが加速しています。
職業選択で収入が3位に下がった背景は?
ミレニアル世代以降、仕事の「意義」や「楽しさ」を重視する傾向が強まり、単なる高収入よりワークライフバランスを優先する考え方が主流になりつつあります。経済的不安定さが続く中で、職業安定性への需要も高まっています。
「静かな成功」の具体例にはどんなものがありますか?
高収入職を辞めて田舎に移住する、起業して労働時間を自分でコントロールする、伝統的なキャリアラダーを捨てて趣味を仕事にするなど、多様な形があります。共通点は、外見的な成功より内面的な満足感を重視する点です。