三井住友海上がWeb3で社会課題解決へ、ブロックチェーン活用で保険業界に新たな風
伝統的な保険大手がWeb3の波に乗る。三井住友海上がブロックチェーン技術を活用した社会課題解決への協業を発表した。業界の常識を覆す動きだ。
デジタル資産と現実世界の接点
スマートコントラクトが保険契約の煩雑さを削減。トークン化された補償が従来のペーパーワークを置き換える。透明性と効率性が一気に向上する仕組みだ。
金融庁の規制フレームワーク内での挑戦
日本の厳格な金融規制をクリアしながらの実装が鍵となる。伝統金融と分散型金融の融合が、業界に新たな基準を作り出す。
社会課題解決の新たなアプローチ
気候変動対策から地域経済活性化まで、ブロックチェーン基盤の保険商品が可能性を広げる。データの改ざん防止と自動執行が信頼を構築する。
業界再編の序章か
この動きは単なる技術導入を超える。保険業界のビジネスモデルそのものを変革する可能性を秘めている―少なくとも、役員会で承認されたプレゼンテーション資料にはそう書いてあるだろう。
ゲームと保険の融合で新たなリスク管理モデルを模索
三井住友海上火災保険は12月22日、Web3技術を活用したゲーム開発を手がけるDEAおよびGRGとの協業検討に関する基本合意を発表した。市民参加型のゲームアプリ「PicTrée(ピクトレ)」を中心に、インフラ保全、防災・減災、交通安全などの領域で、ゲームを通じた社会課題解決の可能性を検証する。
🔔参加型社会貢献コンテンツ「#PicTrée(#ピクトレ)」を活用し、三井住友海上と社会課題解決に向けた協業検討のMOUを締結
✅PRTIMEShttps://t.co/PGwla0fWXN
✅#DEA カンパニーサイトhttps://t.co/1c5lfUl89v pic.twitter.cOM/1Xz1Xb4PK9
PicTrééは、プレイヤーが街中の電柱やマンホールなどをスマートフォンで撮影し、その地点をつなげてルートの長さを競う無料のゲームアプリである。プレイヤーは活動量に応じてギフト券や仮想通貨のリワードを受け取れる設計となっており、遊びながらインフラ設備の状態確認や異常の早期発見に貢献する仕組みだ。
三井住友海上は損害保険事業で培ったリスクマネジメントの知見を提供し、社会課題のテーマ選定やリスク分析を担う。一方、DEAはゲーム設計やWeb3技術を用いたインセンティブ設計、GRGは自治体やインフラ事業者との実証プロジェクト運営を担当する予定だ。
日常行動を通じた「未然防止」への転換
協業の背景には、社会を取り巻くリスクの多様化・複雑化がある。気候変動による自然災害の激甚化やインフラ老朽化、地域コミュニティの希薄化などに対し、保険による事後対応だけでなく、日常の行動を通じた未然防止や被害軽減が求められている。
3社は、ユーザーの行動データや投稿データを活用してリスクを可視化する仕組みを検討する。ゲーム内のミッションやイベントと連動し、日常的な安全行動や防災行動を促進する施策も計画されている。また、自治体やインフラ事業者と連携し、観光振興、防災訓練、インフラ点検など複数の目的を同時に満たす「マルチベネフィット型コンテンツ」の開発も視野に入れる。
市民一人ひとりがゲーム感覚で社会課題に参加できる仕組みは、スマートフォンとWeb3技術の普及により実現可能性が高まっている。参加型コンテンツが生み出すデータと保険・金融の仕組みを組み合わせることで、社会的価値と経済的価値の両立を図る狙いだ。
2026年度内に国内で実証プロジェクトを具体化
3社は同MOUに基づき、2026年度内を目途に国内の自治体、インフラ事業者、企業と連携した実証プロジェクトの具体化に向けて協議を進める方針である。実証結果を踏まえたサービス化や、複数地域への展開可能性についても検討を行う。
DEAは2018年設立のシンガポール企業で、Play to Earnゲームの開発や自社発行の仮想通貨「DEAPcoin(DEP)」の運営を手がける。GRGは2025年4月設立で、「インフラの民主化」を掲げ、市民参加型のインフラ点検・保全プラットフォームの構築に取り組んでいる。
損害保険大手の三井住友海上がWeb3技術を活用したスタートアップ企業と協業することで、保険業界の新たなビジネスモデル開発につながるか注目される。