中東戦争で航空燃料価格が2倍に急騰…航空会社の時価総額79兆円が蒸発
2026年3月、中東地域での紛争激化に伴い、航空燃料価格が前年比2倍以上に急騰している。これを受けて国際航空業界では主要航空会社の時価総額が合計79兆円(約5300億ドル)も減少するなど、大きな打撃を受けている。特に欧州の格安航空会社(LCC)は経営危機に直面しており、業界関係者からは「9.11テロ以来の危機」との声も上がっている。
航空燃料価格急騰で航空業界に大打撃
金融タイムズ(FT)の3月21日付報道によると、中東情勢の緊迫化に伴い航空燃料価格が1ガロンあたり7400円(1バレル約300ドル)まで上昇。これは前年同期比で約2倍の水準だ。燃料費の急騰により、国際航空運送協会(IATA)加盟航空会社の時価総額は3月だけで約5300億ドル(約79兆円)も減少した。
特に影響が大きいのは燃料ヘッジを行っていない格安航空会社だ。英easyJetのCEOは「2022年のウクライナ危機以来、最も厳しい経営環境に直面している」と述べ、ドイツのLufthansaグループCEOも「燃料費増加分だけで年間7400億円の追加コストが発生している」と危機感を露わにした。
「9.11以来の危機」と業界関係者が警鐘
IATA事務局長は「現在の状況は9.11テロ後の航空業界危機に匹敵する」と述べ、航空業界専門家のアビエーション・アドボカシー代表も「多くのLCCが今後数ヶ月以内に経営破綻に追い込まれる可能性が高い」と予測する。
航空業界アナリストのジェームズ・ハルバーソン氏は「燃料価格の急騰に加え、旅客需要の減少も重なり、特に長距離路線を多く保有する航空会社ほど打撃が大きい」と指摘。「2026年第1四半期の業績は過去最悪レベルになるだろう」と予想する。
航空会社の対応策と今後の見通し
各社は運賃値上げや路線削減などで対応に追われている。英ブリティッシュ・エアウェイズは4月から欧州域内路線の燃料サーチャージを導入、Lufthansaグループもアジア路線の30%削減を発表した。
業界関係者によると、燃料価格が現在の水準で推移した場合、2026年中に世界の航空会社のうち最大18%が経営破綻する可能性があるという。特に資本力の弱いLCCや地域航空会社の生き残りが危ぶまれている。
BTCC市場アナリストのリチャード・パーク氏は「今回の危機は業界再編の引き金になる可能性が高い。生き残るためには迅速な経営改革と政府支援が不可欠だ」と指摘する。
投資家への影響と今後の注目点
航空業界の株価急落により、多くの投資家が損失を被っている。特に航空会社債を大量に保有する欧州の投資ファンドでは、評価損が膨らんでいるケースが多い。
今後の注目点は以下の通りだ:
- 中東情勢の行方と原油価格の動向
- 主要航空会社の第1四半期決算(4月発表予定)
- 各国政府の支援策の具体化
- 旅客需要の回復ペース
業界全体でリストラや経費削減が加速する見込みで、BTCCリサーチチームは「業界再編を通じた体力回復に少なくとも2-3年はかかる」との見方を示している。