[2025年9月] マスターカードがAI「エージェントコマース」時代の幕開けを宣言…決済標準の覇権争いが加速
マスターカードがAIを活用した次世代決済「エージェントコマース」の標準化を推進している。AIエージェントが消費者に代わって自動的に商品を選択・購入する新しいビジネスモデルで、2025年中に120億ドル規模の市場に成長すると予測されている。同社は「エージェントペイ」と呼ばれる決済フレームワークを開発し、AIエージェントと安全な決済システムを連携させる技術を17日に発表した。
AIエージェントが変革する次世代決済の形
マスターカードのCSOは「AIエージェントが消費者の購買決定を支援する時代が来た」と述べ、新しい決済パラダイムの必要性を強調した。同社が開発した「エージェントツールキット」と「マスターカード・コネクト・プラットフォーム(MCP)」は、大規模言語モデル(LLM)と連携してAIエージェントが安全に決済を行える環境を提供する。
このシステムでは、AIエージェントがユーザーの好みや購買履歴を学習し、最適な商品を自動的に選択。FIDO認証をベースにしたセキュリティプロトコルにより、生体認証やワンタイムパスワードなどの多要素認証をサポートしている。「エージェントサインアップ」機能では、AIがユーザーの代わりに決済情報を安全に管理できる。
市場予測と競争環境
業界アナリストによると、エージェントコマース市場は2025年末までに120億ドル規模に達すると予想されている。マスターカードはこの新興市場で先行優位を確立するため、APiベースのオープンプラットフォーム戦略を採用。競合他社との差別化を図っている。
BTCCの金融アナリストは「決済産業のパラダイムシフトが起きている」と指摘。「AIエージェントが日常的な購買決定の80%以上を処理するようになるだろう」と予測する。特に、定期的に購入する日用品やサブスクリプションサービスでの導入が進む見込みだ。
技術的課題と将来展望
セキュリティ面では、AIエージェントが扱う大量の個人データ保護が最大の課題となる。マスターカードは分散型ID管理システムを導入し、ユーザー情報を暗号化して安全に共有できる仕組みを構築した。
同社のCSOは「信頼性が最も重要」と強調。「AIが処理する決済の透明性を確保するため、ブロックチェーン技術を活用した監査可能なシステムを開発中だ」と語った。2025年第4四半期までに主要市場で実証実験を開始する予定という。