公民権団体、イーロン・マスクのxAIに大気清浄法違反の是正を60日間の猶予期限付きで要求
がん発生率が全国平均の4倍に達するメンフィス・ボックスタウン地区で、住民たちは新たな脅威に直面している。
サーマル画像によると、xAI施設のガスタービンが既に汚染された大気中に有害物質を排出しており、公民権団体がイーロン・マスクのAI研究所に最終通告を発出。汚染防止装置の設置か、訴訟かの選択を迫っている。
NAACP(全米有色人種地位向上協会)の弁護団は、南部環境法センターを通じ、xAIがメンフィスのスーパーコンピュータ施設で26基の無許可ガスタービンを運転していると非難。同社には大気清浄法違反是正のため60日間の猶予が与えられた。
「このような環境的不公正を常態化させる余裕はない」とNAACPのデリック・ジョンソン会長は声明で述べ、「xAIをこのまま見過ごすことは許さない」と強調した。
DecryptはxAIにコメントを求めたが、現時点で回答は得られていない。
AIコンピューティングを支えるデータセンターは電力需要が極めて高く、常時安定した電力供給が必要となる。2025年末までにAI施設のエネルギー消費量は全世界のデータセンター電力使用量の49%を占め、ビットコインの消費量を上回ると予測されている。
公民権団体は、xAIのタービンが年間2,000トン以上のスモッグ形成物質である窒素酸化物を排出する可能性があると指摘。これが事実なら、メンフィス最大の産業発生源となる。
しかし、クリーンエネルギー導入の遅れから、需要増加の大部分は天然ガスや石炭などの化石燃料で賄われている現状がある。
4月に実施されたサーマルイメージングでは、xAIが「非稼働」と主張していたにも関わらず、ほぼ全てのタービンが稼働していることが確認された。NAACPによれば、適切な汚染防止装置を導入すれば排出量を年間約177トン(現在の10%未満)まで削減可能だという。
メンフィス市長やシェルビー郡保健局など地元当局は「364日間の免除」がxAIのタービンに適用されると主張しているが、NAACPは「xAIの事業規模を考慮した場合、どの免除条項が該当するのか具体的に示されていない」と反論。
アレルギー・ぜんそく財団の2025年報告書によると、メンフィスは大気汚染による健康リスクが全米5位にランクインしており、排出予測はより憂慮すべき状況だ。
交渉が決裂し訴訟に発展した場合、xAIは運転差し止め命令や違反ごとの多額の罰金に直面する可能性がある。
編集:セバスチャン・シンクレア