「シリコンコンデコード」アムコ、TSMCに続きアリゾナ州に70億ドル投資…米国先端半導体サプライチェーン構築
2025年10月15日、半導体パッケージング大手のアムコ(Amkor Technology)が、TSMC(台湾積体電路製造)に続き、米国アリゾナ州に70億ドル(約1兆円)を投じて先端半導体パッケージング工場を建設すると発表しました。この投資は2028年の稼働を目指しており、米国政府が推進する半導体サプライチェーン強化の一環として注目されています。
アムコの大規模投資計画の詳細
アムコは10月4日、アリゾナ州フェニックス近郊に70億ドルを投じた新工場建設計画を正式に発表しました。この施設ではTSMCが同州で生産する最先端チップのパッケージングを担当し、両社は協力覚書(MOU)を締結しています。工場は2段階に分けて建設され、第1段階では20億ドル(約2860億円)、第2段階で追加50億ドルが投資される予定です。
「この投資は米国半導体産業の競争力強化に重要な役割を果たします」とアムコのCEOは述べています。完成時には約3,000人の雇用創出が見込まれており、地元経済にも大きな影響を与えると期待されています。
TSMCとの戦略的連携
アムコの新工場はTSMCのアリゾナ州工場に隣接し、同社が生産する3nmプロセスチップのパッケージングを担当します。特に、TSMCが開発した先進パッケージング技術「CoWoS(ChIP on Wafer on Substrate)」の量産に注力し、AIチップなど高性能半導体の供給を支える計画です。
「TSMCとの連携により、米国における完全な半導体サプライチェーンが構築できます」とアムコ幹部は説明。「これは単なる工場建設ではなく、技術革新の拠点となるでしょう」と付け加えました。
米国半導体産業の再興
バイデン政権が推進する「CHIPS法」の下、米国では半導体製造の国内回帰が加速しています。TSMCに続くアムコの投資決定は、設計から製造、パッケージングまでを米国内で完結させる「エンドツーエンド」戦略の重要な一歩と見られています。
業界関係者は「パッケージング技術は半導体性能のボトルネック解消に不可欠」と指摘。「アムコの投資は単なる追随ではなく、技術リーダーシップの表明だ」と評価しています。
今後の見通し
アムコは2028年の本格稼働を目標に、年内にも建設を開始する予定です。同社は「このプロジェクトが成功すれば、米国は再び半導体製造の中心地としての地位を確立できる」と自信を見せています。
一方、専門家からは「人材不足やコスト高が課題」との指摘もあり、政府の支援継続が鍵となるとの見方が強いです。特に、高度なパッケージング技術を持つ人材の育成が急務とされています。