トランプ大統領「主要貿易国との貿易協定締結迫る」…一部国に「一方的な高率関税」警告
ドナルド・トランプ米大統領が主要貿易国との貿易協定締結が近いと表明する一方、一部の国に対しては高率関税を一方的に課す可能性があると警告しました。これは来月8日に予定されているグローバル関税発効期限を前に、主要国に圧力をかける戦略と見られています。本記事では、トランプ政権の貿易戦略の最新動向や各国の反応、専門家の見解を詳しく解説します。
トランプ大統領の貿易戦略とは?
トランプ大統領は6月28日、ホワイトハウスでの記者会見で「協定を延長することも、より早く終わらせることもできる」と述べ、一部の国には「『おめでとう、25%の関税を支払うことになります』という手紙を送ることもある」と発言しました。この発言は、来月8日に迫ったグローバル関税発効期限を前にした圧力戦術と解釈されています。大統領はさらに「我々は今、各国にどれだけ支払うべきかを直接通知するつもりだ」と述べ、一部の国とは貿易協定なしに関税のみを課す可能性を示唆しました。

カナダへの即時報復措置
トランプ大統領は同日深夜、ソーシャルメディア「Truth Social」で、カナダが米国技術企業にデジタル税を課す決定を「露骨な攻撃」と非難し、「カナダとのすべての貿易交渉を即時停止する」と表明しました。さらに「今後7日以内に、カナダが米国と貿易するために支払うべき関税を通知する」と付け加えました。この発言は、スコット・ベセント財務長官が同日午前「交渉は労働節(9月1日)まで続く可能性がある」と述べたこととは温度差があり、政権内の足並みの乱れも窺わせます。
EU・アジア主要国との交渉停滞
米国は現在、欧州連合(EU)、日本、インド、ベトナム、マレーシアなどと交渉を進めており、一部の国とは初期合意に近づいているとしています。しかし、正式に発表された貿易協定は5月に発表された英国との「枠組み合意」のみで、これは数ページの文書に過ぎず、具体的な条項なしに協議を続けるという内容のみが記載されています。トランプ大統領は今月初め、ロンドンで中国側と合意した内容も「貿易協定」と主張しましたが、これは相互制裁措置の一部撤回にとどまりました。
「手紙一枚で45%関税」の圧力戦術
トランプ政権は今回の交渉で、従来の文書化作業よりも交渉圧力に重点を置いています。ベセント財務長官は「強い交渉戦略により、多くの国が圧力を感じている」と述べ、「10カ国以上との合意が近づいている」と明らかにしました。しかし、専門家らは18カ国以上との協定を数ヶ月で締結するのは非現実的だと指摘しています。過去の政権では数カ国との交渉にも数年かかり、通常は数百ページに及ぶ正式文書を作成してきたためです。
関税の合法性をめぐる論争
米国国際貿易裁判所は先月、トランプ大統領が導入した「相互関税」の一部条項が違憲の可能性があるとの判断を示しました。現在、上訴手続きが進行中で、ホワイトハウスは必要に応じて連邦最高裁まで争う構えです。裁判所の判断次第では、トランプ政権の高率関税戦略に大きな変化が生じる可能性があります。
よくある質問
トランプ大統領はなぜカナダとの交渉を停止したのですか?
カナダが米国技術企業にデジタル税を課す決定を「露骨な攻撃」と見なし、これに対する報復措置として交渉停止を決定しました。
EUは米国の要求にどう対応していますか?
ウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員長は「デジタル税などの立法権は交渉の対象ではない」と強調し、「関税や非関税障壁、戦略的調達問題は議論できるが、主権を侵害する要求は受け入れられない」と述べています。
トランプ政権の関税戦略は合法ですか?
米国国際貿易裁判所は一部条項が違憲の可能性があると判断しており、現在上訴中です。最終判断は連邦最高裁に委ねられる可能性があります。