HSBC「AMD、AI半導体市場でNVIDIAに挑戦状」目標株価200ドルに倍増—44.5%上昇余地
- なぜHSBCはAMD株を「Buy」に格上げしたのか?
- AMDのMI350シリーズがもたらすゲームチェンジ
- 2026年を見据えたAMDの次世代戦略
- 専門家が分析するAI半導体市場の今後
- 投資家が知っておくべき5つのポイント
【要約】HSBC証券がAMD株を「Hold」から「Buy」に格上げし、目標株価を100ドルから200ドルへ大幅引き上げ。最新AIチップ「MI350シリーズ」がNVIDIAの「HGX B200」と互角の性能を持ち、2026年度にはAI部門売上高が市場予想を上回る可能性を示唆。AMDは6月に発表した次世代GPUでAI半導体市場での存在感を急拡大中だ。
なぜHSBCはAMD株を「Buy」に格上げしたのか?
HSBCの半導体アナリストFrank Lee氏は7月10日、AMD株に対する投資判断を「Hold」から「Buy」へ引き上げるとともに、目標株価を100ドルから200ドルへと倍増させた。この修正は、AMD株が前日終値比で44.5%の上昇余地を持つことを意味する。Lee氏はCNBCに対し、「AMDが最近発表したMI350シリーズは、価格戦略と性能の両面でNVIDIAの最新AI GPU『HGX B200』と競合できる」と説明。特に「AI GPU需要が予想以上の価格プレミアムにつながる」と楽観的な見方を示した。具体的には、NVIDIAのB200と同等性能のMI355の平均販売価格が25,000ドルに達する可能性があると分析している。

(画像説明:6月12日、カリフォルニア州サンンノゼで展示されたAMDのMI350シリーズAIチップ。出典:ロイター/聯合ニュース)
AMDのMI350シリーズがもたらすゲームチェンジ
AMDは6月12日、「Advancing AI」イベントでAI市場向けGPU「Instinct MI350シリーズ」を正式発表。MI350XとMI355Xを含む新製品は、既存データセンターインフラへの導入が容易という特長を持つ。Leeアナリストは「この利便性から需要が急速に拡大する」と指摘。さらに「MI350シリーズの業績寄与度が2026会計年度のAI売上高増加につながるが、最近の14%株価上昇にもかかわらず市場はこれを十分に評価していない」と強調した。BTCCチームの分析によれば、AMDのAIチップ戦略は「高性能ながら柔軟な導入プロセス」という独自の強みを打ち出しており、これがNVIDIA支配の市場構造に風穴を開ける可能性があるという。
2026年を見据えたAMDの次世代戦略
AMDは次世代「Instinct MI400シリーズ」GPUを基盤とした専用サーバーラック「Helios AI Rack」を2026年にリリース予定。Lisa Su CEOは「MI400シリーズはNVIDIAの『BlackWell』ラインアップと直接競争できる性能を持つ」と宣言している。TradingViewのチャート分析では、AMD株は今年に入り14.6%上昇しており、HSBCの目標株価引き上げを受けニューヨーク市場では2%超の値上がりを記録。CoinGlassのデータによると、半導体セクター全体でAMD関連デリバティブ取引量が急増している。
専門家が分析するAI半導体市場の今後
業界関係者は「AMDの真価はサプライチェーン管理能力にかかっている」と指摘。NVIDIAが直面する供給制約をAMDが逆手に取れるかが焦点だ。ある半導体エンジニアは匿名で「MI350のベンチマーク結果は印象的だが、実際のデータセンター環境での安定性が未知数」と語る。一方で、あるベンチャーキャピタリストは「GoogleやMetaがAMDチップをテスト中だ」と噂を漏らした。歴史的に見れば、2017年にRyzenプロセッサーで逆転劇を演じたAMDだが、AI時代でも同じ奇跡を起こせるか?
投資家が知っておくべき5つのポイント
1. HSBC目標株価200ドルは市場平均より44.5%高い
2. MI355の推定価格25,000ドルが実現すれば収益急拡大
3. 2026年MI400シリーズでNVIDIA Blackwellと直接対決
4. 既存インフラ互換性が導入障壁を低減
5. 14%上昇後の株価でもまだ割安とHSBC分析