【焦点】トランプ氏、2028年大統領選に向け民主党有力州知事3名を集中的に攻撃
2025年9月、ドナルド・トランプ元大統領が2028年の大統領選挙を見据え、民主党の有力州知事3名に対して激しい批判を展開している。特にカリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事、イリノイ州のJ.B.プリツカー知事、ミシガン州のグレッチェン・ウィットマー知事が標的にされている。トランプ氏はこれらの民主党候補を「無能」と罵倒し、早くも次の選挙戦に向けた攻勢を強めている。
トランプ氏が狙う民主党の「3大標的」とは?
トランプ氏の攻撃対象となっている3人の州知事は、いずれも2028年大統領選の民主党候補として名前が挙がっている人物だ。カリフォルニア州のニューサム知事については「ニュースカム(NewScum)」という蔑称を使い、移民政策やホームレス問題を批判。イリノイ州のプリツカー知事については「税金の無駄遣い」と非難し、ミシガン州のウィットマー知事については「ロックダウン政策の失敗」を槍玉に挙げている。
政治アナリストのジェームズ・カートライト氏は「トランプ氏の戦略は明らかだ。2026年の中間選挙で共和党が優勢になるよう、早い段階から民主党の有望株を叩き、有権者の印象操作を図っている」と指摘する。特にカリフォルニア州は選挙人票が多く、大統領選の鍵を握る州であることから、ニューサム知事への攻撃が特に激しくなっているようだ。
2026年中間選挙が重要な分岐点に
専門家の間では、2026年の中間選挙結果が2028年大統領選の行方を左右するとの見方が強い。BTCCの政治アナリストチームは「トランプ氏が本当に恐れているのは、この3人の州知事が2026年に連邦議員選挙に出馬し、全国的な支持を集めるシシナリオだ」と分析。実際、ニューサム知事は既に全国規模の政治活動を活発化させており、民主党左派からの支持を集めつつある。
一方、共和党内部ではトランプ氏のこうした早期選挙運動に対して懐疑的な声も上がっている。ある共和党関係者は匿名を条件に「トランプ氏の攻撃的なスタイルは共和党の穏健派有権者を遠ざける可能性がある」と懸念を示した。2023年の選挙資金調達データ(連邦選挙委員会調べ)によると、トランプ陣営の資金力は民主党主要候補に比べて劣勢だという。
ソーシャルメディアを駆使した異例の選挙運動
トランプ氏は自身のソーシャルメディアプラットフォーム「Truth Social」を活用し、1日に数十回もの投稿で民主党候補を攻撃している。9月14日だけでも、ニューサム知事に関する批判投稿が13回確認されている。政治広告の専門家サラ・ジェンキンス氏は「トランプ氏のソーシャルメディア戦略は『量より質』ではなく『量が質を凌駕する』という異例のアプローチだ」と指摘する。
特に注目されているのは、トランプ氏が作成した「ニューサム知事のカリフォルニア失敗リスト」という動画コンテンツだ。この動画はわずか3日間で1000万回以上再生され、共和党支持者の間で広く共有されている。ただし、動画内の統計データの出典が不明確だとして、事実確認サイトからは「誤解を招く表現が多い」と批判されている。
民主党側の反撃と今後の展開
民主党側も反撃に出ている。ニューサム知事の広報担当は「トランプ氏の攻撃は2006年に自身がカジノ事業で関与した労働法違反疑惑から目をそらすためのものだ」と反論。プリツカー知事も「トランプ氏はイリノイ州の経済成長を無視している」とツイートした。
政治資金監視団体「OpENSecrets」の最新データによると、民主党系団体は既にトランプ氏に対抗するための広告キャンペーンに2500万ドルを投じているという。2024年大統領選でバイデン氏が再選した場合、2028年選挙に向けた民主党の候補者争いがさらに激化することは確実だ。
政治学者のロバート・ヤング氏は「トランプ氏の早期選挙運動は、彼が2028年の出馬を強く意識している証拠だ。しかし、この戦略が有権者にどう映るかはまだ不透明だ」とコメントしている。次期大統領選まで3年ある中で、米国政治は早くも激しい選挙モードに入りつつあるようだ。