USDC発行体サークル社、Q4決算で収益増も金利低下が最大のリスクと警告
ステーブルコイン発行で稼ぐビジネスモデルに、暗雲が立ち込める。
サークル社の最新決算は、一見すると堅調だ。USDCの発行残高とそれに伴う利鞘が収益の柱を支えている。しかし、その成功は中央銀行の金利政策という、自社ではコントロールできない巨大な歯車にかかっている。
最大のリスク要因:金利低下シナリオ
同社の収益構造の核心は、USDCの裏付け資産である米国債などからの利息収入だ。現在の高金利環境はこのモデルを甘やかしてきた。しかし、金融政策が転換し金利が低下すれば、収益はたちまち圧迫される。これは、伝統的な銀行が金利変動リスクに悩むのと本質的に同じジレンマだ。サークルは、自らが「金融テクノロジー」企業であることを誇るが、その収益の命運は結局のところ、パウエル議長とFOMCの手中にある。
安定性への執着が生む逆説
USDCの最大の売りは、その安定性と規制への順守だ。しかし、この「安定」を追求するがゆえに、資産は超低リスクで低リターンのものに集中せざるを得ない。DeFiの世界で高い利回りを追求する機会は、リスクを理由にほぼ手つかずだ。伝統金融の枠組みで戦う以上、伝統金融のリスクからは逃れられないという、ある種の皮肉な現実が浮かび上がる。
未来は「発行体」を超えられるか?
サークルの真の試練は、単なるステーブルコイン発行体という役割を超えた収益の多角化ができるかどうかにある。決算書に踊る数字の陰で、同社はこの根本的な課題と対峙している。金利の恵みが去った後も生き残るためには、テクノロジー企業らしい次の一手が不可欠だ。さもなければ、最も伝統的な金融リスクによって、最も革新的と思われたビジネスが足元をすくわれることになる——ウォール街ではよくある話だ。
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サークルが同四半期に得た準備金収益は7億3340万ドルでしたが、そのうちの約63%にあたる4億6060万ドルが流通および取引コストとして費やされています。これは顧客預金を運用して得た利益1ドルにつき、約63セントが取引所やウォレットといった流通パートナーに流出していることを意味します。
同社は「流通コスト控除後の収益(RLDC)」を主要なパフォーマンス指標として掲げており、利回りの確保には「棚割料」のような流通手数料の支払いが不可欠な状況です。
今後の最大のリスクは金利の低下局面です。現在のマージン構造は3%台の金利環境を前提としていますが、市場では今後数四半期での利下げが予想されています。
流通コストが固定化されたまま利回りが低下した場合、発行体の利益は急速に圧縮されます。金利が1%から2%低下するシナリオではマージンがマイナスに転じる可能性もあり、事業モデルの再構築や統合が迫られる局面が予想されます。
ステーブルコインの競争軸は技術や準備金管理から、ユーザー接点を押さえるための流通パートナーとの交渉力へと移行しています。
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情報ソース:Circle