北日本紡績が仮想通貨市場に参入──ビットコイン保有からマイニング・独自トークン発行まで野心的なロードマップ
繊維メーカーがブロックチェーン業界に突如参戦。北日本紡績が仮想通貨事業を開始すると発表、伝統産業とWeb3の意外な融合が話題に。
第一弾としてビットコインの企業保有を表明。さらに来年までにマイニング設備の導入と独自トークン発行を計画──「繊維産業のブロックチェーン化」という荒唐無稽なスローガンを掲げる。
アナリストは「赤字続きの本業から目を背けるための株価対策か」と冷笑。だが同社CTOは「繊維サプライチェーンにトークン経済を導入する」と熱弁。繊維メーカー初の仮想通貨上場企業誕生か、それともまたひとつの corporate crypto circus か。
東証スタンダード上場企業で石川県に本社を置く繊維メーカーの北日本紡績は5月14日、仮想通貨(仮想通貨)およびRWA(実物資産)関連事業を開始することを同日開催の取締役会で決議したと発表した。
同社は、これを新たな収益の柱と位置付け、次世代Web3ビジネスの創出を目指す。事業開始は、2025年6月30日開催予定の定時株主総会での新規事業目的追加の承認を前提としている。
同社が計画する事業概要には、ビットコイン(BTC)などの仮想通貨の保有と運用実績の開示、再生可能エネルギーを活用した仮想通貨マイニング設備の構築・運用が含まれる。マイニング事業については、国内外の事業者と協議中であるという。
さらに、独自トークンの発行も検討しており、自社関連製品・サービスの対価支払いや、同社が手掛ける廃プラスチック事業における買取時の支払い手段としての利用を想定している。
また、この廃プラスチックリサイクル事業においては、回収から再生・製品化に至るサプライチェーン上の一部のプロセスをRWA化し、資源の流通と価値を可視化することで、効率化、トレーサビリティ強化、コスト最適化を目指す。
加えて、独自トークンの保管やWeb3型決済インフラの提供を目的としたWeb3型ウォレットの提供も予定しており、特に海外サプライヤーとの取引における積極的な活用を視野に入れている。


北日本紡績は、仮想通貨市場の成長性や、米国でのビットコイン現物ETF承認、日本国内における改正資金決済法の施行によるステーブルコイン発行など規制環境の変化を参入の背景として挙げている。
事業開始は2025年7月上旬を予定しており、社内に新設されるクリプトマネージメント部門が担当する。
北日本紡績のような、従来仮想通貨とは直接的な関連のなかった国内企業が、新たな事業の柱として仮想通貨関連ビジネスに参入する動きは、近年増加傾向にある。
例えば、不動産事業のメタプラネットやエネルギー事業のリミックスポイントは、財務戦略の一環として積極的にビットコインを取得している。同様に、美容医療のSBCメディカルグループホールディングスやアパレル事業のANAPホールディングスなどもビットコインの購入を発表しており、異業種からの参入が続いている。
|文:栃山直樹
|画像:北日本紡績ウェブサイトから(キャプチャ)