「8インチファウンドリも突破」…AI需要急増でPSMC・中国系企業が供給不足に直面
AI需要の急増により、電源管理IC(PMIC)の供給不足が深刻化している。特に8インチ(200mm)ファウンドリの生産能力が逼迫しており、PSMC(Powerchip Semiconductor Manufacturing Corporation)や中国系企業が供給制限に追い込まれている。業界関係者によると、この状況は2026年まで続くと予想されており、半導体業界全体に大きな影響を与える見込みだ。
8インチファウンドリの供給逼迫が業界に与える影響
AI技術の急速な発展に伴い、PMICの需要が急増している。PMICはあらゆる電子機器に不可欠な部品であり、特に8インチファウンドリで生産されることが多い。しかし、近年の需要増加により、8インチファウンドリの生産能力が限界に達している。SEMIの調査によると、2025年の8インチファウンドリの稼働率はわずか0.3%の増加に留まり、2026年でも2.4%の増加が見込まれる程度だ。
TSMCやUMCなどの主要ファウンドリ企業も8インチラインの増産に苦慮しており、2027年までに新規生産ラインを立ち上げる計画を発表しているが、需要の伸びに追いつけるかは不透明だ。業界アナリストは「8インチファウンドリの供給不足は、単なる一時的な問題ではなく、業界全体の構造的な課題になりつつある」と指摘する。
MOSFET市場への波及効果
8インチファウンドリの供給不足は、MOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)市場にも影響を及ぼしている。12インチファウンドリへの移行が進む中、8インチで生産されるMOSFETの供給が減少しており、価格の上昇圧力が強まっている。VIS(Vanguard International Semiconductor)やPSMCなどの企業は、8インチラインの最適化に注力しているが、需要の伸びに生産が追いついていない状況だ。
ある業界関係者は「8インチファウンドリの供給制限は、特に中国系企業にとって深刻な問題だ。彼らは12インチへの移行が遅れており、8インチに依存しているからだ」と述べている。
SKハイニックスの対応策
韓国のSKハイニックスは、8インチファウンドリの供給不足に対処するため、12インチラインへの移行を加速している。同社の関係者は「8インチの供給制限は業界全体の課題だが、我々は12インチへの移行を戦略的に進めることで、この問題を克服できると確信している」と語る。
しかし、12インチファウンドリへの完全移行には時間がかかるため、当面は8インチの供給不足が続くと見られている。業界全体で、8インチと12インチの生産バランスをどう取るかが今後の課題となりそうだ。