「シリコンコンデコード」NVIDIAの足元を狙うAIメモリ…Google・Meta出身者が1億ドルで挑戦状
AIメモリ技術を専門とするスタートアップ「Majestic LABs」が、NVIDIAのGPU依存からの脱却を目指し、1億ドルの資金調達に成功した。GoogleとMetaの元エンジニアらが設立した同社は、AI処理のボトルネックとなっているメモリ問題を解決する新技術を開発。これにより、従来のGPUに比べ10分の1のコストでAI処理を可能にするとしている。
AI処理の新たな選択肢「メモリ中心アーキテクチャ」とは?
MajeStic LABsが提案するのは、GPUに依存しない「メモリ中心コンコンピューティング」アーキテクチャだ。現在のAI処理では、GPUのメモリ帯域幅が大きな制約となっている。同社の技術は、データ交換効率を向上させることで、1ラック当たりの処理能力を従来の10倍に高めつつ、電力消費を大幅に削減できるという。
CEOによると、「GPT-5のような大規模言語モデルの訓練には、従来なら1000台以上のGPUクラスタが必要だった。我々の技術なら、その10分の1の規模で同等の処理が可能になる」と語る。実際に同社は、50億ドル規模のデータセンター需要を見込んでおり、2026年までに市場シェア獲得を目指す。
業界の反応と今後の展望
業界アナリストは「これは単なるメモリ技術の進化ではなく、AIインインフラ全体のパラダイムシフトだ」と評価。CNBCの報道によれば、同社はSeries Aラウンドで7100万ドル(約103億円)を調達。Bow Wave CapitalやLux Capitalなどが主要投資家として名を連ねている。
特に注目されるのは、3年以内に10倍の成長を見込む同社の野心的なロードマップだ。COOは「2027年までに、我々の技術がAI処理の標準となることを目指す」と語り、ハイパースケールクラウドプロバイダーとの協業も視野に入れている。
技術詳細と競合優位性
Majestic LABsの技術の中核は、独自の「データエクスチェンジ」プロトコルにある。これにより、GPUが不得意とする大規模データの並列処理を効率化できる。同社のベンチマークテストでは、特定のAIワークロードにおいて、従来システム比で1000倍のコスト効率を達成したという。
「これはまるで、道路の渋滞を解消するために、車自体を改良するのではなく、交通システム全体を再設計するようなものだ」とBTCCのアナリストは説明する。実際、同社の技術は、2023年に設立されたばかりにもかかわらず、既に50社以上の企業から問い合わせがあるという。