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MARA、ビットコイン評価損15億ドルで第4四半期17億ドルの赤字に直面—暗号マイニングの巨大な賭けが裏目に

MARA、ビットコイン評価損15億ドルで第4四半期17億ドルの赤字に直面—暗号マイニングの巨大な賭けが裏目に

Published:
2026-02-27 21:09:20
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ビットコイン採掘大手のMarathon Digital(MARA)が、第4四半期決算で17億ドルの赤字を計上した。その主な要因は、保有するビットコインの価値下落に伴う15億ドルの評価損だ。

仮想通貨の冬が採掘業者のバランスシートを直撃

マイニング企業にとって、ビットコインは単なるデジタル資産ではなく、運転資本であり、担保であり、時には収益そのものだ。価格が急落すれば、その影響は収益を超えて財務体質そのものを揺るがす。今回のMARAの巨額損失は、ハッシュレート(採掘計算能力)への投資と資産価値の維持という、業界特有の綱渡りを鮮明に映し出している。

「非現金損失」という名の現実

会計上は「非現金評価損」と片付けられるかもしれない。しかし、市場からの信用、借入能力、そして将来の成長戦略に与える打撃は極めて現金的だ。暗号市場のボラティリティ(価格変動)は、従来の財務モデルでは計りきれないリスクを企業に強いている。

長期的な視点か、それとも単なる希望的観測か

MARAをはじめとする採掘業者は、自社でビットコインを「製造」するというユニークな立場を強調する。価格が短期的に下落しても、ネットワークへのコミットメントと長期的なビットコインへの信念が企業価値の根幹だという主張だ。確かに、過去のサイクルでは、忍耐強いプレイヤーが次の強気相場で莫大な利益を上げてきた。

しかし、今四半期の損益計算書は、その信念が株主に17億ドルの痛みをもたらしたことを冷徹に記録している。伝統的な金融界からは、これぞ「ボラティリティをビジネスモデルの中核に据えた」ことの代償だと、やや冷笑的な見方も出ている。暗号マイニングは、究極的にはエネルギーと資本をビットコインという一枚のコインに変えるビジネスだ。そしてそのコインの価値は、市場が決める。

MARA、17億ドル損失でビットコインの変動性鮮明 AI事業転換で新戦略示唆

MARAの17億ドルのQ4損失は、期間中にビットコイン価格が約30%下落した状況下で生じた。これにより同社は、デジタル資産保有残高の評価額について15億ドルの非現金公正価値評価減を強いられた。

  • 四半期売上高は前年同期比6%減の2億0230万ドルとなり、2024年Q4の2億1440万ドルから減少した。
  • 調整後EBITDAは前年同期の7億9600万ドルの黒字から一転し、マイナス14億9000万ドルとなった。
  • 通年では、MARAは13億ドルの純損失を計上し、2024年の純利益5億4100万ドルから大きく転落した。

この結果は、大規模なビットコイン保有企業において時価会計が変動性を増大させることを示している。収益減にもかかわらず、MARAは2025年末時点で保有ビットコインが5万3822BTCとなり、前年から20%増加した。

Mara Holdingsのビットコイン保有数と2025年第4四半期報告

Mara Holdingsのビットコイン保有数と2025年第4四半期報告 出典: Mara Q4 2025 Report

年末時点で1ビットコインあたり約8万7498ドルで評価され、同社の保有分は総額約47億ドルに相当した。その内訳は以下のとおり。

  • 3万8507BTCは制限なし、
  • 9377BTCは貸出中、
  • 5938BTCは担保として差し入れられている。

全体の約28%が拘束されていることになる。貸出活動による利息収入は年間で3210万ドルを計上した。

流動性は十分に確保されている。MARAは制限なし現金とビットコイン(貸出分や担保資産を含む)合計で約53億ドルを報告した。

また2025年には、ATM(アット・ザ・マーケット)プログラムを通じて5億6860万ドルを調達したが、第4四半期には利用を停止した。これは2022年以来初めて同制度を利用しなかった四半期となった。

事業面でもマイナーとしての拡大を続けている。エネルギー投入済みハッシュレートは66.4エクサハッシュ/秒(EH/s)となり、前年から25%増加して過去最高を記録した。ただし、マネジメントは資本の規律を重視し、当初掲げていた75EH/sの目標には届かなかった。

AIインフラ転換でMARA成長戦略が変化

四半期のビットコイン生産量は2011BTCで、前年同期比6%減となった。ネットワーク難易度の上昇や季節的な電力コスト増加の影響によるもの。

Q4における1BTCあたりの購入電力コストは4万8611ドルまで上昇した一方、1ペタハッシュ・1日あたりのコストは4%改善し30.5ドルとなった。最新設備の導入により効率性が向上したことがうかがえる。

マイニング以外の分野でも、MARAは特にAIや高性能コンピューティング(HPC)を中心としたエネルギー・デジタルインフラ事業への戦略転換を加速している。

同社は、スターウッド・デジタル・ベンチャーズと合弁で、ハイパースケール・エンタープライズ・AI対応データセンターを開発する新事業を発表した。

MARA announces a strategic partnership with Starwood Digital Ventures to accelerate delivery of cutting-edge hyperscale, enterprise, and AI capable digital infrastructure.

The joint platFORM is expected to deliver approximately 1 GW of near-term IT Capacity, with a pathway to… pic.twitter.com/9rE8orvUnG

— MARA (@MARA) February 26, 2026

この提携により、近い将来最大1ギガワット(GW)のIT容量供給を目指し、最終的には2.5GWを超えるロードマップを描いている。

MARAは当該プロジェクトに最大50%出資できるため、インフラ関連の継続的な収益源確保やビットコイン価格変動リスク軽減につなげる考え。

同社は現実資産の拡大方針として、Exaion株式の64%保有、およびネブラスカ州の42メガワット・データセンター取得を強調した。

市場の関心を集めた動きとして、MARAは最近、8-K届出にて経営陣の報酬指標を更新した。ストックアワードがマイニング生産高のみならず、メガワット容量や契約済みの継続的収益にも連動する仕組みとした。

この届出では、企業売却時には業績目標が自動的に達成と見なされる「チェンジ・オブ・コントロール条項」も導入。これにより投資家の間では買収観測も高まっている。

After the close yesterday MARA filed an 8-K updating exec COMP: stock awards now tied to overall MW capacity + contracted recurring revenue (not just mining output), and importantly, there is a new change of control provision: if the company gets sold those performance targets… https://t.co/F7GChY5ZTW pic.twitter.com/usoZkxlgfW

— matthew sigel, recovering CFA (@matthew_sigel) February 26, 2026

総合的に見ると、MARAは膨大なビットコイン保有残高を持ちながら、インフラ拡張への大きな挑戦を進めている。

もしこれが実現すれば、純粋なマイナーから多角化したエネルギー・AI基盤企業への転換が、次の仮想通貨サイクルで収益の変動幅を低減できるかのカギとなるだろう。

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