Crypto.comがリップルに続きOCCの信託銀行認可を条件付き取得 - 米国規制の壁を次々と突破する仮想通貨業界

米国通貨監督庁(OCC)がCrypto.comに条件付きの信託銀行認可を付与。リップルに続く快挙が、仮想通貨企業の伝統的金融システムへの統合を加速させる。
規制のハードルをクリア
OCCの条件付き認可は単なる形式的な手続きではない。資本要件、コンプライアンス体制、リスク管理フレームワーク——Crypto.comは銀行レベルの厳格な基準を満たす必要があった。この認可取得は、同社が米国金融規制当局の要求するガバナンス水準をクリアしたことを意味する。仮想通貨取引所が「信託銀行」として運営されることで、顧客資産の分離管理や法的保護が強化される。
業界全体への波及効果
リップルに続く2社目の認可取得は重要な前例を作った。他の主要取引所も同様の認可申請を加速させるだろう。ただし、OCCの条件付き認可は最終承認ではない——今後12〜18ヶ月の監視期間を経て完全認可が判断される。金融当局は依然として慎重な姿勢を崩さず、伝統的銀行業界からの圧力も無視できない(彼らは競合が増えるのを好まない——驚きだ)。
仮想通貨の制度化が進む
この動きは単なる企業の業績以上に重要な意味を持つ。信託銀行認可は仮想通貨が「金融商品」として正式に認知されるプロセスの一環だ。機関投資家が参入する際の法的安心感を提供し、市場の成熟度を高める。ただし、規制への順応がイノベーションの鈍化につながらないか——業界はそのバランスを模索し続ける必要がある。
次なる戦場は国際規制調和へ
米国での進展はグローバルな規制枠組み構築に影響を与える。日本の金融庁(FSA)をはじめ各国当局がこの動向を注視している。クロスボーダーサービスを提供するプラットフォームにとって、各国規制の調和は避けて通れない課題だ。Crypto.comの認可取得は、仮想通貨業界が「無法地帯」からの脱却を続けていることを示す最新の証左と言える。
クリプトドットコムが全米信託銀行免許でOCCの条件付き承認取得
BeInCryptoが以前報じた通り、Crypto.cOMは2025年10月にナショナルトラストバンク設立のための免許申請を行った。OCCは2026年2月に暫定認可を付与し、同社にとって重要な節目となった。
なお、暫定認可は免許取得プロセスの初期段階に位置付けられる。申請者は正式認可の取得までにOCCの規制や運営上の要件を満たす必要がある。
「Crypto.comは本日、米通貨監督庁(OCC)からForis Dax National Trust Bank(Crypto.com National Trust Bankとして事業展開)設立の暫定認可を受けたことを発表した」と声明に記載。
Crypto.comは、この認可がCrypto.com Custody Trust COMPanyの運営には影響しないことを強調した。同社は今後もニューハンプシャー銀行局の規制下、非預託トラスト会社として有資格カストディアン業務を継続する。
「今回の暫定認可は、私たちのコンプライアンスへの取り組み、そしてお客様がCrypto.comに期待する信頼性とセキュリティに対する姿勢の最新の証左だ。この節目は、連邦水準の監督下で機関投資家向けのワンストップ有資格カストディアン体制を整備するうえで大きな前進となる」とCrypto.com共同創業者兼CEOのクリス・マルシャレックCEOはコメントした。
リップル、サークル、パクソス、フィデリティ・インベストメンツなどの企業も、2025年12月にナショナルトラストバンク免許申請で暫定認可を取得した。一方、BitGoは昨年末、州認可トラスト会社からナショナルトラストバンクへの転換でOCCから正式認可を得て、一歩先んじた。
🚨NEW: @cryptocom joins @Ripple, @circle, @Paxos and @Fidelity in getting conditional approval for a @USOCC trust bank charter. @BitGo received full OCC approval to convert its state trust company into a nationally chartered trust bank late last year. https://t.co/TmlECHHSO4
— Eleanor Terrett (@EleanorTerrett) February 23, 2026さらに、トランプ米大統領が支援するDeFiプロジェクトWorld Liberty Financial傘下の子会社も、2026年1月にOCCへ申請書を提出し、World Liberty Trust Company, National Association(WLTC)設立を目指している。この新会社は、ステーブルコイン関連業務に特化したナショナルトラストバンクとして運営する計画。
仮想通貨企業が連邦認可の銀行形態へ移行する動きは、米国金融規制枠組みへのデジタル資産企業の深い統合を示す。ナショナルトラスト免許により連邦の法的地位が得られ、カストディ能力が向上し、機関投資家からの信頼性強化につながる。OCC監督下での運営により、監督体制が連邦レベルに集約される。
しかし、この傾向に懸念も広がる。米銀行協会(ABA)や独立系コミュニティバンク協会(ICBA)は、OCCの暫定認可拡大に反発している。仮想通貨バンクの拡大によって米国銀行業の境界が曖昧になり、新たな課題が生じると警告する声も出ている。