キ・ヨンジュ氏が指摘:ビットコイン反発のカギは5万5000ドル突破にあり

市場が息をのむ中、ある重要な水準が注目を集めている。
ビットコインの反転には、5万5000ドルという心理的かつ技術的な壁を明確に突破する必要がある——アナリストのキ・ヨンジュ氏がこう指摘した。同氏は、この水準が単なる数字ではなく、市場の信頼と勢いを測るバロメーターだと強調する。
現在の停滞を打破する条件
5万5000ドルを上回る持続的な取引がなければ、現在の横ばい状態や弱気の圧力から抜け出すのは難しい。これは単なる抵抗線の話ではなく、買い手が本当に主導権を握っているかどうかの試金石だ。
次の動きを予測する
この閾値を超えれば、より高い高値への道が開ける可能性がある。しかし、失敗すれば、さらなる調整や底値探しの期間が長引く恐れがある。伝統的な市場のアナリストたちが「健全な調整」と呼ぶものだ——彼らは下落を前向きに解釈するのが得意だからね。
結局のところ、仮想通貨市場は常に物語と数字の綱引き。次の章を始めるには、たった一つの数字がすべてを変えるかもしれない。
資金流入でも状況変わらず
韓国の仮想通貨専門メディアとのインタビューで、ジュCEOはデータに基づく弱気継続の見方を示した。資金流入と売り圧力の根本的な不均衡を指摘した。
「数千億ドルが市場に流入しているが、時価総額は横ばいか減少傾向だ。つまり、売り圧力が新規資金を上回っている」
同氏によれば、過去の大幅な調整局面ではセンチメント回復までに最低3か月のもみ合いが必要だった。短期的な反発を新たなブル相場の始まりと誤認すべきではないと強調する。
回復への2つの道筋
ジュCEOはビットコインの回復シナリオを2つ挙げる。1つ目は、実現価格(約5万5000ドル、保有者の平均取得単価)まで下落した後、反発する展開。この水準に回帰し、新たな上昇モメンタムを得てきたのが歴史的な傾向だ。
2つ目のシナリオは、6万ドルから7万ドルのレンジで長期間の横ばい推移を続け、次の上昇局面まで数か月間、値固めが進行するというもの。
いずれにせよ、持続的な上昇への前提条件は現時点で整っていないとジュ氏は指摘する。ETF流入は鈍化、店頭取引需要も枯渇し、実現時価総額・標準時価総額の双方とも横ばいまたは減少傾向となっている。
機関投資家の流出が下落要因
ジュ氏は、最近の売りの多くが機関投資家の持ち高解消によるものと分析した。過去1年でビットコインのボラティリティが低下し、ボラティリティ獲得を狙ったベータ・デルタニュートラル戦略の機関投資家は、ナスダックや金といった他資産に資金を移した。
「ビットコインがほとんど動かなくなったことで、機関投資家がポジションを維持する理由がなくなった」とジュ氏は説明。CMEのデータでも機関によるショートポジションの大幅減少が確認できる。これは強気材料ではなく、資金流出の証左となる。
さらにジュ氏は、大口による短時間の市場売却(マーケットダンプ)という攻撃的売りパターンも指摘。強制清算や、デリバティブポジション操作を狙った意図的な機関売りの可能性があるとみている。
アルトコイン市場の見通しさらに悪化
アルトコインの状況はさらに深刻だ。2024年を通じてアルトコインの取引量は活発に見える一方、実質的な新規資金流入はETF上場期待の数銘柄に限定。アルトコイン全体の時価総額は過去最高値を大きく超えることはなく、資金が新規参入でなく既存参加者間で回転していることを示す。
「単一の物語でアルトコイン全体が持ち上がる時代は終わった」とジュ氏。AIエージェント経済など構造的イノベーションが将来的な価値創出につながる余地は認めつつも、物語主導の単純な高騰局面は戻らないとの見方。
「短期的なアルトコインの上値余地は限定的。今回の下落による投資家心理のダメージは回復に相当な時間を要する」と締めくくった。