量子コンピュータがビットコインの価値を破壊する? 2026年、仮想通貨最大の脅威が現実味を帯びる
量子の脅威が暗号の要塞に迫る。
ビットコインの基盤である公開鍵暗号を、量子コンピュータが数分で解読できる日が来るかもしれない。研究者たちは、そのタイムラインを2030年代と予測するが、一部の専門家は『準備は今日始めるべきだ』と警告する。
量子耐性へのレース
ブロックチェーン開発チームは、量子コンピュータに耐えうる新しい暗号アルゴリズムの実装を急ぐ。アップグレードは技術的に可能だが、膨大なネットワークコンセンサスが必要となる。最も楽観的なシナリオでも、移行には数年を要する。
ビットコインは生き残れるか?
脅威は理論上のものではない。主要な中央銀行や金融機関は、すでに量子時代への備えを始めている。一方、仮想通貨コミュニティは、分散型ネットワークの柔軟性と適応力に賭ける。『ハードフォークは痛みを伴うが、死を意味しない』とある開発者は語る。
究極のストレステストが近づく。仮想通貨最大のセールスポイントである『不変のセキュリティ』が、最先端物理学の前に揺らぐ時、市場は伝統的な金融機関が量子リスクを管理していると主張するレポートを、いつものように無視するだろう。
量子コンピューターはビットコイン評価に影響か
ウー氏は、ビットコインが過去12年間ゴールドに対して上回り続けてきたトレンドが崩れ、構造的な大きな変化が起きていると主張する。その背景には、量子コンピューティングのリスクへの市場の認識が高まったことがあると指摘する。
「12年続いたトレンドが崩れた。BTCは本来、ゴールドよりはるかに高い価値で評価されるべきだ。本来は。しかし、そうなっていない。評価トレンドは量子コンピューティングへの意識が高まった瞬間、崩壊したのだ」とウー氏は述べた。
ビットコインのセキュリティは、楕円曲線暗号(secp256k1上でのECDSA)に依存している。十分に高度でフォールトトレラントな量子コンピューターがショアのアルゴリズムを実行すれば、公開鍵から秘密鍵を導き出すことが理論上可能となり、該当するオンチェーンアドレスの資金が危険に晒される。
現時点でビットコインの暗号を破ることができる技術は存在しない。しかし、ウー氏によれば、重要な懸念は推定400万BTCの“失われたコイン”が再び動き出す可能性にあるという。量子コンピュータのブレークスルーが起これば、これらのコインが再び流通し、実質的に供給量が増える可能性がある。
規模の大きさを示すため、ウー氏はマイクロストラテジーの2020年の戦略や現物ビットコインETFに倣い、企業などが約280万BTCを蓄積済みであることを指摘する。失われた400万BTCが復活すれば、その合計を上回り、直近のペースで計算すれば企業による8年分の蓄積に匹敵する規模となる。
「市場はこうした失われたコインの復活リスクを、事前に徐々に織り込み始めている。このプロセスは、Qデー(量子リスク解消日)が到来するまで続く。それまではBTCUSDがこのリスクを織り込む形となる。Qデーは5年から15年先…この先長い間、不安材料を抱えたまま取引されることになる」と同氏は強調した。
ビットコインは、現実的な攻撃が可能となる前に量子耐性の署名方式にアップグレードするとウー氏は認める。しかし、暗号のアップグレードによっても、これら失われたコインの扱いが自動的に解決されるわけではない。
「プロトコルのハードフォークで失われたコインが凍結されない可能性は75%と見る」と同氏は述べた。「残念ながら、今後10年こそBTCが最も必要とされる時期にあたる。長期的な債務サイクルの終末局面であり、マクロ投資家や国が世界的な債務縮小の回避先としてゴールドなどハードアセットに逃避する。したがって、ゴールドは高騰しBTCはそうならない」
ウー氏の分析は、量子攻撃が差し迫っているという意味ではない。むしろ、量子コンピューティングを長期的な変数として、特にゴールドとの相対評価に組み込んでいる。
一方、キャプリオール・インベストメンツの創業者チャールズ・エドワーズ氏は、量子リスクが市場行動にどのように影響しているかについて補完的な見解を示す。エドワーズ氏によれば、量子リスクへの懸念がビットコインの価格下落をもたらした主な要因であった可能性が高いという。
Google interest in "Quantum Computing Bitcoin" peaked when Bitcoin peaked. Evaluation of the risk was at a maxima when price was, resulting in derisking, a leading indicator to price falling. The Quantum threat drove Bitcoin down. The floor interest in quantum risk to Bitcoin is… pic.twitter.com/a7m3Ucq7wr
— Charles Edwards (@caprioleio) February 15, 2026量子リスクは実際のポートフォリオ運用にも影響を与えている。ジェフリーズのストラテジスト、クリストファー・ウッド氏は、量子コンピューティングへの懸念を理由にビットコインの10%配分をゴールドや鉱山株に振り替えた。これにより、機関投資家が量子コンピューティングを単なる遠いリスクではなく、重大なリスクと見なしていることが浮き彫りとなる。