JCBAとJVCEA、仮想通貨を巡る税制緩和を要請

2022/07/28著者:

暗号資産(仮想通貨)関連の国内企業を代表する日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)と日本暗号資産取引業協会(JVCEA)が、政府に仮想通貨を巡る税制の一部を緩和するよう、正式に要請することが明らかになった。

海外諸国より厳しい現在の規定が改正されれば、仮想通貨関連の企業の活性化や国内を諦めて海外移転した起業家の国内回帰が期待される。

 

仮想通貨を巡る税制緩和を要請


ブルームバーグが入手したメモによると、日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)と日本暗号資産取引業協会(JVCEA)は早ければ今週中にも、企業による短期売買を目的としていない長期の仮想通貨保有については課税対象外とする提案を金融庁に提出する予定だ。

 

このほか、個人が仮想通貨で得た収益に対しては20%の申告分離課税とし、損失については翌年以降3年間繰り越し控除ができるようにすることを求めるという。

 

これまで仮想通貨を巡る税制


法人が保有する仮想通貨を巡っては、含み益を含めて約30%の法人税が課されている。現在は毎期末に資産価値の上昇分に対し課税されることが重荷になっている。これは特に資金余力のない新興企業にとって負担が大きく、シンガポールなど海外で起業せざるを得ない起業家も少なくなかった。

 

個人の場合では、1年以上保有していた場合には米国では最大約20%の税率、ドイツでは原則課税されないなどという制度もある中で、日本では支払いや売却で手放す際に住民税を合わせると最大55%の税率が課せられる状況となっていた。

 

「新しい資本主義」を実現するための「Web3」


今回の要望に対する政府の今後の対応は、岸田文雄首相が掲げる「新しい資本主義」の実現に向けて先月発表した計画に掲げられた、仮想通貨やブロックチェーン技術を活用する「Web3」の推進への試金石となる。

 

JCBAの広報担当者は取材に対し、提出前のため内容の詳細はコメントできないとした上で、7月末にもJVCEAと共同で要望書を金融庁に提出する予定だと回答した。JVCEAの担当者からは回答を得られなかった。複数の政府関係者は何も決定はしていないとしたものの、金融庁の一部の幹部も法人保有分に対する期末評価税制の改正を支持していると匿名を条件に話した。

 

金融庁関係者は、すでに業界関係者と仮想通貨を巡る法人税制改正の必要性について対話をしていると明らかにした。8月にまとめる同庁の税制改正要望に盛り込むかはまだ決まっていないが議題には上がっており、除外してはいないという。

 

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