カナダ銀行が画期的なプライバシー保護型デジタル通貨基盤を開発—中央銀行デジタル通貨(CBDC)競争が加熱
中央銀行デジタル通貨(CBDC)レースに新たな展開—カナダ銀行が個人データ保護を最優先した革新的なデジタル通貨インフラを開発中だ。
金融監視社会への懸念が高まる中、カナダ当局は「現金のような匿名性」と「デジタル決済の利便性」を両立させるソリューションを模索。ブロックチェーン技術を活用した分散型システムが核とされる。
専門家は「銀行がプライバシーを重視すると宣言するのは皮肉な進化」と指摘。金融機関が10年間無視してきた暗号通貨の特徴を、ようやく「発見」した格好だ。
プライバシーを核としたOpenCBDC 2PCモデル
この枠組みはOpenCBDC 2PCと呼ばれるモデルを採用している。
利用者は自己管理型のウォレットにデジタル資金を直接保有し、銀行や決済事業者に個人情報を明かすことなくP2P取引が可能になる。
システムはビットコイン(BTC)と同様の未使用トランザクションアウトプット方式を利用して送金を処理する。
また、個人識別情報と取引データを分離することで、プライバシーを強化している。
未登録の利用者は匿名で資金を保有でき、登録利用者も中央銀行と共有されるデータは限定される。
ゼロ知識証明といった暗号技術により、取引金額をシステムインフラから秘匿することが可能で、従来の電子決済よりも強力なプライバシー保護を提供する。
開発の背景と今後の課題
開発の背景には、CBDCが政府による監視を可能にするとの世界的な懸念がある。
なお、CBDCは中央銀行が発行する法定通貨だが、その基盤技術の一部は仮想通貨(仮想通貨)で利用されるものと共通している。
これに対応するため、身元情報と取引の分離や暗号技術の活用が進められた。
このシステムは、マネーロンダリング対策などの監査や規制要件と、利用者の匿名性の両立を図っている。
これにより、規制とプライバシー保護という相反する要求の調和を目指す。
マーク・カーニー首相が過去にCBDCを支持していたことも、研究を後押しした。
一方で、実店舗の決済システムの更新や、大規模利用時の性能など、実用化には課題も残る。
これは決済に特化したモデルであり、より汎用的な契約を実行できるイーサリアム(ETH)などのプラットフォームとは設計思想が異なる点も指摘されている。
今回の研究はCBDCの発行を約束するものではないが、将来的な需要が生じた際の基盤となる。
カナダのプライバシーを優先するアプローチは、他国のモデルとは一線を画し、市民中心の設計における先進的な事例として注目される。