【徹底分析】インテル、ファウンドリ戦略を全面見直し…「18A」を捨て「14A」に未来を賭ける
インテルの新CEOパット・ゲルシンガー氏が大胆な戦略転換を断行。数十億ドルの損失を覚悟で前CEOの核戦略「18A(1.8nm級)」プロセスをわずか1年で放棄し、次世代「14A(1.4nm級)」に集中投資する方針を明らかにした。TSMCとの激しい競争に勝ち抜き、AppleやNVIDIAといった超大規模顧客の奪還を目指す野心的な計画だ。
なぜインテルは18A戦略を急遽変更したのか?
2023年3月に就任したパット・ゲルシンガーCEOは、6月から前CEOが推進してきた18Aプロセスが新規顧客獲得に限界があると判断。リボンフェット(RibbonFET)トランジスタやパワービア(PowerVia)背面給電技術など先進技術を導入したものの、開発遅延が響き、TSMCの「N2(2nm級)」プロセスに後れを取る形となった。業界アナリストの間では「18Aは実際にはTSMCが2022年末から量産しているN3プロセスと同水準」との厳しい評価も。インテル側は「仮想シナリオや市場推測にはコメントしない」としつつも、「18Aの主な顧客は従来通りインテル自身」と釈明している。
14Aプロセスが救世主となるか?
インテルが新たな切り札として期待を寄せるのが14Aプロセス。TSMCのN2と直接競合することを想定したこの技術は、18A比で性能と電力効率が15~20%向上し、「ターボセル」などの新技術が導入される。すでに複数の顧客企業と14Aベースのテストチップ開発を協議中との情報も。特に、現在TSMCに全量を依存しているAppleやNVIDIAの奪還が最大の目標だ。BTCCアナリストチームは「これはインテルにとってのall-in(全面賭け)戦略」と評する。
巨額の損失は避けられない
戦略転換に伴い、インテルは18Aプロセス開発に投じた数十億ドルの投資の大部分を損失処理せざるを得ない見込み。業界関係者の推計では、関連する減損費用は数億~数十億ドルに達する可能性がある。ただし、既に契約済みの分については18Aプロセスでの生産が継続され、AmazonやMiCROsoft向けの少量チップも含まれる。
TSMCとの死闘が激化
この戦略変更は、ライバルTSMCとの差を縮めるための苦肉の策と見られている。TSMCはN2プロセスの量産を目前に控え、技術面で優位に立つ。インテルは「パンサー・レイク」ノートブックチップの2025年後半量産拡大を目標に掲げるが、14Aプロセスが期待通りに機能するかがカギとなる。1986年以来初の年間赤字(2024年純損失188億ドル)を記録するなど財務状況も厳しく、文字通り背水の陣だ。
組織改革も同時進行
ゲルシンガーCEOは就任後すぐに中間管理職の削減や意思決定プロセスの簡素化を実施。AI・データセンター・PCチップなどのコア事業部門がCEOに直接報告する体制に改編し、組織の敏捷性向上を図っている。「経営陣はロードマップの強化と顧客信頼の構築、財務状態改善に全力を注いでいる」とインテルはコメントしている。
インテルの挑戦は成功するか?
モバイルコンピューティングやAIという過去20年の主要トレンドで出遅れたインテル。今回の大胆な戦略転換は「ハイリスク・ハイリターンの賭け」と言える。半導体業界の覇権をめぐる攻防は今後さらに熱を帯びそうだ。投資家としては、次の四半期決算でどの程度の減損処理が行われるかに注目したい。
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インテルの18Aプロセスとは何ですか?
18Aはインテルが開発していた1.8nm級半導体製造プロセスで、リボンフェットトランジスタやパワービア背面給電技術など先進技術を採用していました。しかし開発遅延や競合他社との差が縮まらないことから、新CEOが戦略転換を決断しました。
14Aプロセスの主な特徴は?
14A(1.4nm級)プロセスは18A比で15-20%の性能・電力効率向上が見込まれ、新技術「ターボセル」を導入。TSMCのN2プロセスと直接競合することを想定して開発されています。
この戦略変更でインテルはどのくらいの損失を被りますか?
業界アナリストの推計では数億~数十億ドルの減損処理が必要とされています。18Aプロセス開発に投じた巨額投資の大部分が損失化する見込みです。