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イーサリアムが反発、DeFi総資産200億ドル減でも「クジラ」が買い続ける理由

イーサリアムが反発、DeFi総資産200億ドル減でも「クジラ」が買い続ける理由

Published:
2026-02-11 19:00:00

イーサリアムが下げ止まりの動きを見せている。DeFi(分散型金融)セクターの総預かり資産(TVL)が200億ドル減少したという厳しい環境下でも、大口投資家「クジラ」の買いが続いている。

なぜ「クジラ」は買い続けるのか?

短期的なTVLの変動よりも、イーサリアムの基盤技術と長期的なロードマップに信頼を置いているからだ。PoS(プルーフ・オブ・ステーク)への移行完了、スケーラビリティを劇的に向上させる「ダンクシャーディング」の実装予定、そして膨大な開発者コミュニティとネットワーク効果。これらは、一時的な市場の「寒風」では揺るがない強固な価値の源泉と見なされている。

伝統的な金融アナリストたちは、この動きを「根拠のない楽観主義」と片付けるかもしれない。彼らは、四半期ごとの決算と配当に慣れきっているからだ。しかし、仮想通貨の世界では、次世代の金融インフラを構築する「信念」そのものが、最も強力な資産となり得る。

もちろん、リスクは常に存在する。規制の動向、競合ブロックチェーンの台頭、技術的課題は潜在的な逆風だ。それでも、クジラたちの動向は、市場の表層的な数字よりも深層で流れる確信を示唆している。彼らは、現在の調整局面を、次の大きな波に向けた「積み時」と捉えているのかもしれない。結局のところ、金融の歴史は、大多数が懐疑的だった時にポジションを築いた者たちによって、しばしば書き換えられてきた。

パターン崩壊で大口投資家の支援弱まる

2月初旬のイーサリアム反発はベアフラッグ内で形成された。この構造は短期的な回復局面であり、トレンド転換ではなかった。2月10日、価格はベアフラッグ下限を割り込み、パターン崩壊が発生。過去のETH分析で指摘された通り、50%超の暴落リスクが示唆される展開。

この動きが重要なのは、マネーフローの弱さと同時に発生したためである。

チャイキン・マネーフロー(CMF)は価格・出来高を元に資金流入出を測定する指標。CMFがゼロを上回れば大口による買いが多い。逆に下回る場合、参加者は消極的であるとみなされる。

2月6日から9日にかけてETHは反発したが、CMFがゼロを超えることはなかった。下降トレンドラインも突破できなかった。これは大口投資家による本格的な支援が反発局面で見られなかったことを示す。

ブレイクダウン構造が発動 出典: TradingView

簡単にいえば、価格は上昇したが本格的な投資マネーが追随しなかった。CMFの裏付けなしに生じる反発は持続性に乏しい。今回もまさにそれが起こった。買いの勢いが止まると、売り手が再び優勢となり、ETHを押し下げた。

これにより、パターン崩壊は偶然ではなく、大口資金流入の減少が下支えしていた可能性があることが裏付けられる。ただし、テクニカルの弱さだけでは全容を説明できない。

DeFiのTVLと取引所フローが構造問題を示唆

イーサリアムのDeFiアクティビティ低迷がより根深い問題である。

TVL(預かり資産総額)は、分散型金融(DeFi)プラットフォームに預けられている総資金を示す。実利用や資本のコミットメント、長期的な信頼のバロメーター。TVLが増加する時は資金がロックされている。減少時は資金が流出している。

BeInCryptoのアナリストは、TVLと取引所フローのダッシュボードデータを組み合わせた明確なパターンを示した。

11月13日時点でDeFiのTVLは756億ドル。ETHは3232ドル付近で推移。取引所の純ポジションの変化は強くマイナスで、コインが取引所から出ていった。投資家がETHをセルフカストディへ移した可能性が高い。

TVLが取引所フローと価格へ影響 出典:Glassnode

これは健全な状況だった。

12月31日までにTVLは約674億ドルまで減少し、ETHも2968ドルまで下落。取引所へのフローがプラスに転じ、約150万ETHが取引所に移動した。売り圧力が増加。2月の動きに注目する。

TVL推移と取引所フロー増加 出典: Glassnode

2月6日、DeFi TVLは3か月ぶりの安値、517億ドルに低下。ETHは2060ドル付近で推移。取引所からの資金流出も急減(純ポジションは直近ピーク)。純フローはややマイナスだったものの、2月6日のピークで買い圧が大きく後退した。これは繰り返される関係性である。

TVLが下落すると、取引所流入が増加または流出が弱まる。つまり長期利用より売却を見据えた資金移動が発生している。

2月10日現在、TVLは約555億ドルまで回復したが、11月中旬比で200億ドル近く低い。依然として3か月安値圏。強い回復がなければ取引所側の売り圧力が戻る可能性が高い。すなわち主要用途が弱い中でのパターン崩壊である。

これはチャートだけの問題でなく構造的課題である。

クジラの買い増しと取得単価がイーサリアム価格を下支え

テクニカルやTVLが弱含む中でも、クジラは完全に撤退していない。

クジラの保有量は、大口ウォレットが保有するETHの量を追跡し、取引所を除外して算出している。2月6日以降、クジラの保有量は約1億1391万ETHから1億1356万ETHまで減少した。この動きは下落局面で分配が行われていたことを裏付ける。しかし過去24時間でこの傾向はいったん停止した。

イーサリアム・クジラ 出典: Santiment

保有量は1億1356万ETHから1億1362万ETHへとわずかに回復し、小規模な積み増しが見られた。これはクジラが全力で買い向かっているのではなく、サポート水準を試していることを示唆する。

理由はコスト基準のデータを見ると明らかだ。

コスト基準のヒートマップは、多くの投資家がどこでコインを購入したかを示している。これらのゾーンは、保有者が取得価格を守るため、しばしばサポートとして機能する。イーサリアムの場合、1,879ドルから1,898ドルの間に大きなクラスターが形成されている。この範囲で約136万ETHが積み上げられており、強い需要ゾーンとなっている。

コスト基準ヒートマップ 出典: Glassnode

現在の価格はこのエリアのすぐ上に位置している。

ETHがこの帯域を上回っている限り、クジラには防衛するインセンティブがある。この水準を下回ると多くの保有者が含み損となり、さらなる売り圧力に繋がる可能性が高い。これが慎重な買いの理由である。

クジラは上昇局面に賭けているわけではない。重要なコストゾーンを守っている可能性がある。

ここからイーサリアムの価格構造が明確になる。

サポートは1,960ドル付近、その下は1,845ドル付近に位置する。日足で1,845ドルを下回ると主要なコストクラスターが崩れ、一段の下落リスクを裏付ける。その場合、次の大型サポートは1,650ドルおよび1,500ドル付近となる。

イーサリアム価格分析 出典: TradingView

上値では、ETHが2,150ドルを回復することが安定の条件。2,780ドルを突破しない限り、大きな弱気トレンドは弱まらない。それまでは、反発局面は力強さを欠く。

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