ドイツ規制当局、「DeFiには新しい規制が必要」と発言|規制
2022/05/17著者:
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DeFiの問題点
ドイツ連邦金融監督庁(BaFin)のフォン・ビルギット・ロドルフェ執行理事は16日、DeFi(分散型金融)が従来の金融市場と真に競合するためには、明確な新規制が必要だと発言した。
ロドルフ氏は、DeFiを「ユートピアのようなもの」と表現した。急な融資が必要になったとき、「世界中から集まった何千人もの仮名集団」から数秒で融資を受けることができる。一方、融資の延長や暗号資産(仮想通貨)の「突然の消失」をどこに持ち込めばよいのかなど、対処方法が不明で預金の保証もされないため、「むしろディストピアなのでは」と批判した。
同氏は、「DeFi市場はまだニッチな市場だが、規制がない状態が続けば続くほど、消費者のリスクは大きくなる」と指摘した。 また、極めて重大な製品やサービスが確立してしまうリスクも高まると注意を促した。
実際に、DeFiは熱狂的な支持者が語るような草の根的、利他的なものではないことが経験から証明された。技術的な問題、ハッキング、不正行為などがこの領域に多発し、 数百億円規模の被害も珍しくはないと言える。
したがって、ドイツ連邦金融監督庁は、革新的なプロバイダーが「合法的な方法」で事業を展開できるように、新しい製品やサービスの提供に関する規制の基盤整備を積極的に推進すべきだと主張した。ただし、規制基準を緩和したり、DeFi関連製品を従来の金融市場の製品よりも有利な立場に置くことはないと強調した。
欧州におけるDeFi規制
ロドルフ氏は、欧州市場の混乱を防ぎ、ヨーロッパ全体のイノベーションの可能性を引き出すために、この地域内で統一されたDeFi規制を導入することが理想的だと主張した。
同氏がDeFi規制に言及した背景には、欧州連合(EU)内で進行中の暗号資産規制案「MiCA」に関する議論がある。
2020年9月にEUが公表したMiCAは当初、ステーブルコインの規制整備を推進することがメインな目的の一つだったが、現在はNFT(非代替性トークン)やDeFiを規制の枠組みに入れるかどうかに議論が移ってきているそうだ。
MiCAは3月末、懸念されていたPoW(proof of work)銘柄の禁止条項が承認されないまま、EU議会、委員会、評議会の三者協議にかけられる段階に入った。
一方、欧州議会は3月31日、暗号資産の自己管理型ウォレットを規制する法案の条項を承認した。 また、自己管理型ウォレットはマネーロンダリング対策(AML)の監視対象となるため、米国の暗号資産取引所コインベースなどから懸念が表明されている。 この条項を含む法案は、正式に議決される前に三者協議が必要とされる。
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ドイツが暗号資産を推進
ドイツ連邦財務省は10日、企業や個人などあらゆる納税者に適用される暗号資産の所得税取り扱いに関するガイドラインを発表した。 同国初の全国的なガイドラインは最終的なものではないとされている。
ドイツでは、取得した暗号資産を1年以上保有した後に売却する場合、所得税が免除される。 このガイドラインでは、レンディングやステーキングなどに使用される暗号資産であっても、保有して1年後に売却すれば所得税の課税対象にはならないとしている。
また、ドイツ政府は暗号資産とブロックチェーン技術を今後4年間の推進プロジェクトの一つとしており、昨年7月には機関投資家が特別ファンド(Spezialfonds)を通じて最大20%の資金を暗号資産に投資できるという法律が承認された。
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